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ナイロン製か、牛革製か?ミリタリーウォッチを格上げする3000円以下で買えるNATOストラップの選び方

2019.10.15

■Natmk『NATO BlackBuckle ショートサイズ』1050円(税込)

NATOストラップの本命、カーキグリーンにマットブラック金具に惚れ込んで選んだのはよかったのだが、255mmは短すぎた。275mmを選ぶことをオススメする。金具はステンレスに塗装仕上げ。ベルトは厚さ1mmと薄くフィット感がいいがペラペラしている。厚みがあるのが好きな人は1.4~1.7mmのベルトを選んだ方がいい。グリーンの発色はやや派手目。これぞミリタリーという組み合わせだ。

255mm、厚さ1mm、重さ15.4g、総重量84.5g

Vostokはロシア軍用だが、この色だとアメリカ軍に見えてくる

ベルトが腕に食い込んでいるのが分かる。この長さは細腕向き

■Airself『NATOタイプ 統計ベルト UPレザー ブラウン』498円(税込)

UPレザーとは合成皮革のことだ。厚さ1.5mmで非常にしなやかなので使い始めてすぐに腕にフィットする。バネ棒外し付きでU500円と激安なので、もっとちゃちな仕上げかと思ったが、金具の出来もなかなかいい。遠目には革製である。革製がいいがメンテが面倒、馴染むまでに時間がかかるのが待てない人にオススメ。色は黒の方が革っぽいと思う。耐久性は不明なのでヘビー級ウォッチは避けた方がいいだろう。

260mm、厚さ1.5mm、重さ11.3g、総重量80.4g

ブランウンの革でビンテージ感が高まる

尾錠はクロームメッキ仕上げと思われる

■CASSIS『カーフ時計バンド TYPE NATO LEATHER 20mm』3088円(税込)

生後、6ヵ月以内の仔牛の革を使ったNATOストラップ。木目が細かくキズも少ない最高級の革を使った、今回、最高額のベルト。柔らかいのでキズが付きやすく、薄いので耐久性にも欠けるが、使い込むほどに色合いが変化するエージングが楽しめる。ブラシで汚れを落としたり、表面を乾燥させないため革用クリームで潤いを補うなどのメンテナンスも必要になる。今回はあえてオレンジにしてみたのだが、なかなか渋めの発色で好印象。レッドとブルーも欲しくなった。

しっとりとした装着感で、革でありながら重さを感じさせない。いくら柔らかいと言っても二重になった部分が浮き上がってしまい、腕に馴染むにはある程度の時間が必要になりそうだ。時計に高級感を漂わせてくれる逸品。これで3088円はハイコスパだ。バネ棒外しも付属する。

276mm、厚さ1.5mm(実測1.3mm)、重さ13.5g、総重量82.6g

裏面はしっとりした感触に仕上げられている

革製品ならではの高級感が漂う

尾錠はクロームメッキ仕上げでかなり軽量だ

二重になった革の部分がまだ馴染んでいない

NATOストラップは長さと色合いで選ぶのがいい

6タイプのNATOストラップを試してみて分かったのは高価なベルトがいいと限らないこと。最も重要なのはサイズで特に長さがポイント。長すぎてもいいが短すぎるとアウトだ。折り返したくない場合はさらに長さがシビアになる。店舗で長さを確認してから購入するのが確実だ。ベルトの厚みも大切で、薄いとフィット感はいいがペラペラして安っぽい感じになる。厚いと高級感が出るが、バネ棒とケースのクリアランスが狭い腕時計では使えないこともある。

素材はシリコン、ナイロン、人工皮革、牛革を試した。シリコンはメンテナンスフリーで水にも強い。柔らかく感触もいいが、通気性がなく、経年劣化で割れたりキレることがある。また、キズに弱く切れ目が入ると、広がって最後は切断される。ナイロンは軽くて丈夫、汚れに強く洗える。濡れてもすぐに乾く。特に弱点はないが経年変化で毛羽立ってくる。牛革には高級感があり独特の肌触り、エージングで味が出るなどのメリットがあるが、汗のニオイが付きやすい、汗や水分で劣化する、ひび割れたりカビが生えるなどの弱点もある。人工皮革は革の弱点をなくすために生まれた素材だが、本物の革と比べると安っぽいことは否めない。

今回、試したNATOストラップはどれもハイコスパで、これは酷いという製品はなかった。どれを購入しても大丈夫。特に11Strapsブランドはお買い得感があった。ループナイロンバンド未体験の人はこの機会に使ってみて欲しい。

長さの順に並べたベルト。短すぎたのはカーキグリーンのモデル

オレンジのカーフスキンとダブルストライプのベルトがドレスアップに最適

写真・文/ゴン川野

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