訪日外国人の増加に際し、日本人は外国人たちを歓迎すると同時に、日本特有の文化や慣習を伝えていくことが期待されている。今回は、インバウンドを多く迎え入れるホテルや旅館に、日本に訪れた外国人たちが、どんな日本文化を新鮮と感じているのか、意外と知られていないこと、そして彼らが今、日本の何に興味を持っているのかを聞いてみた。
訪日外国人が意外に知らない日本のこと
ワシントンホテルやホテルグレイスリー、箱根小涌園 天悠、ホテル椿山荘東京などを手がける藤田観光は、各運営ホテルや旅館で、訪日外国人向けに熱中症リーフレットやお花見リーフレットを配布し、歓迎の思いや日本の文化を伝えるとともに、インバウンド増加に伴う社会課題の解決に向け、積極的に取り組んでいる。
今回、各ホテルにアンケートを取ってもらい、訪日外国人の状況を探ってもらった。まずは訪日外国人たちが意外と知らない日本のことについて紹介する。
●訪日外国人が意外と知らないこと
・交通系ICカードは、公共交通機関以外にタクシー、コンビニ、自販機、レストランなどでも使えること。
・日本はチップを払う文化がないこと。
・百貨店や駅のトイレのほとんどが無料であること。
・最近はコンビニでも免税対応しているところがあること。
・レストランによっては香水や写真撮影禁止のところがあること。
・富士山を登るときは、しっかりと準備していく必要があること。
自国に大きな山があるゲストから見ると、富士山は「小さい山」というイメージがあり、「軽装でも大丈夫、日帰りでちょっと登ってくる」という感覚があるため、アドバイスをする必要がある。
・日曜日もお店が開いていること。
フランスや、ヨーロッパ一部地域では、日曜日はお店は定休日となっている。
・都内の多くの美術館・博物館は月曜日が定休日であること。
・白米には多様な食べ方があること。
ごはんを単品で食べる方が多く、ふりかけ・生卵・佃煮・納豆と一緒に食べれば美味しいことを伝えると、喜ばれる。
・日本には、ヨーロッパ・アメリカのように、大通り以外の通りの名前が少ないこと。(観光名所を除く地域)
・街中にゴミ箱が少ないこと。
訪日外国人が今興味関心のあるものとは?
また各ホテルや旅館によれば、海外からのゲストは、最近次のようなことに興味があるという。
・フリーマーケット・骨董品市
・登山・トレッキング
日本が名山の集まる国だということが最近知れ渡ってきた。
・日本人はどういう食生活を送っているかについて(朝食など)
・人気の海水浴場
・桃やぶどうなど日本の果物
とても甘く、人気がある。山梨などで大量に購入して、旅行中にすべて食べきるということもよくある。宿泊時にその果物を食べるため、お皿やナイフを貸してほしいというリクエストもある。
また、イベントや美術館、Made In Japanの雑貨や食品を扱っているセレクトショップ、御朱印集めなども流行っているという。