GMOあおぞらネット銀行によるビジネスパーソン1,000名を対象にした「老後資金」に関するアンケート調査の結果によれば、ビジネスパーソンが行なっている資産運用の第3位が「外貨預金」という結果でした。
外貨預金に預けているのに、メリットが大きい外貨建債券(以下外債という)のことを知らないのは大変もったいないです。
そこで、今回は、外貨預金と似ている、外債の魅力をたっぷりと伝えたいと思います。
外貨を持つことということ
日本はマイナス金利政策をとっており、国内の債券や定期預金は非常に低い金利となっています。例えば、三菱UFJ銀行の「満期1年のスーパー定期」に預けると年率0.01%が適用され、100万円預けても利息は税引前100円しか受け取れません。
一方、外貨で運用すると、日本よりも魅力的な高金利で預けることができ、円安になれば為替差益を受け取ることができます(その逆で為替差損が出ることもあります)。
外貨は、為替リスクがあり怖いイメージを持たれますが、長期運用なら円安まで待つことができ、その間利息を受け取り増やしていくことができます。
したがって、長期で資産をじっくり育てていくイメージで外貨を預けるなら、比較的リスクの低い金融商品です。
ただし、中でも新興国通貨建の金利の高い債券は、為替変動が大きくリスクが高くなるため注意が必要です。
具体的な外貨の長期運用方法としては、為替は円高になったり円安になったりと常に動くので、利息は外貨で受け取り、満期金も外貨で受け取ります。最初の購入時と比べて円安になったら円に換えるか、資金がすぐに必要ない場合や円高の場合は外貨でそのまま運用します。日本よりも高い利息で利息を外貨でコツコツ貯めながら、その利息も満期時に外貨の元本に組み入れることで、複利効果で資産を増やすことができます。
外貨で長期運用する手段として、主に銀行の外貨預金がありますが、よく似ている商品として証券会社が取り扱う外債についてもご紹介したいと思います。
そもそも外貨預金とは?
<仕組み>
外貨預金は、円またはドルなどの外貨を定期預金に1ヶ月・6ヶ月・1年等一定期間預けることです。満期時に利息を受け取ることができますが、中途解約すると普通預金の低い金利が適用されます。中途解約しても、外貨建では元本保証されています。
銀行の外貨預金は、特別金利として高い金利を期間限定で受けとれるサービスが行われています。例えば、「円からの預け入れで年率6%(期間1週間)の特別金利!」等のことで、金利は高いですが期間が短いため、1万ドル(約106万円)預けたとしても、利息は11ドル程度の約1,200円となり、そんなに大きな利息にはなりません。高い金利に注目してしまいますが、期間に着目して利息計算してから預け入れしましょう。
<手数料>
円→外貨、外貨→円に交換する際に為替手数料がかかります。為替手数料は、ドルの場合大手銀行の窓口なら片道1円、ネットバンキングなら25銭、ネット銀行なら25銭程度となります。為替手数料が1円なら往復約2%、25銭なら往復約0.5%の手数料がかかります。
(為替手数料は銀行によって異なります。)
<利金・満期金の扱い>
利金・満期金は円で受け取るか、外貨で受け取りまた自動で定期預金に預けることもできます。さらに、手数料はかかりますが、外貨で引き出すこともできます。
<中途解約>
定期預金を解約すると普通預金の金利が適用されますが、外貨建てでの元本は保証されます。ただし、中には中途解約が認められて定期預金もあるため、預け入れ前によく確認しましょう。
<税金>
利息は20.315%の源泉徴収、満期時に為替が円安となったことによる為替差益は雑所得になり、確定申告が必要です。
外貨預金の為替差益による雑所得は、【総収入金額-必要経費=その他の雑所得】として、給与所得などの他の所得と金額を合算して、収める税金を計算します。ただし、年収2,000万円以下の給与所得者で為替差益を含めた給与以外の所得が年間20万円以下の場合は申告不要になります。
また外貨で受けとる場合は、満期時の外貨を円換算した金額で為替差益を求めます。
<保証>
外貨建てで元本が保証されますが、銀行が倒産したときに適用される預金保険制度の対象外となります。そのため、安全性の高い銀行で預けるのが安心でしょう。