■連載/阿部純子のトレンド探検隊
29haの広大なブドウ畑に建つ「椀子ワイナリー」がオープン
今年9月にオープンした「シャトー・メルシャン 椀子(まりこ)ワイナリー」は、東京ドーム約6個分に値する29haの広大なブドウ畑に360度囲まれた、素晴らしい景観が楽しめるワイナリー。
椀子ワイナリーでは4つのワイナリーツアー(予約制)を実施。畑、ワイナリーを見学し、6種のワインをテイスティングできる一番人気の「椀子プレミアムツアー」(所要時間約90分・3000円 税込)に参加した。
ブドウ畑は16区に分かれ、メルロー、シラー、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブランなど、白ブドウ2種、黒ブドウ6種の8種のブドウ品種を栽培。強粘土質で根が張りにくくストレスがかかる土壌、標高650mの高台にあり風が強く乾燥するため病気になりにくいといった、ブドウ樹には良い条件が揃っている。
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003年に開園したメルシャンの自社管理畑「椀子ヴィンヤード」は6期をかけて植樹。何期も分けて植えることで樹齢の違い、土壌、環境の分析を行い、区画をそのブドウ品種に合った状態に調え、商品コンセプトに合わせて収穫の時期を変えるなど、椀子のテロワールを確立してきた。
ツアーではカベルネ・フランと樹齢10年のシラーの畑を見学。シラーの栽培では椀子が北限だが、椀子のシラーは世界的に有名で、スパイシーな香気のロタンドン成分が世界で一番強い。椀子が5とするとシラー種の原産地であるコート・デュ・ローヌは3程度で、とくに椀子のシラーは白コショウのような風味があるといわれる。気象条件、土壌などの椀子のテロワールが生んだ、3500本程度しか造れない希少価値のあるシラーだ。
醸造工程も見学できる。ワイナリーができる前は、2時間半かけて収穫したブドウを椀子から勝沼まで運び醸造していたそうだが、ワイナリーの完成により移送のストレスがなくなり、収穫したブドウをすぐに醸造することが可能になった。
ブドウを果粒と梗に分ける除梗機にかけ、赤割れしている果実などを取り除き、良い果実のみを選別する選果を経て破砕を行ってから、地形を生かした重力に逆らわない「グラビティ・フロー」によって発酵タンクに運ばれる。醸造エリアは温度管理しやすいステンレスタンク、保温性があり木の香りが加わるオーク樽がある。フレンチオーク材を使用したオーク樽は、シャトー・メルシャンの3つのワイナリー(勝沼、桔梗ヶ原、椀子)全体で日本最大級の1000樽を有し、1樽で220本分のワインができる。樽庫の温度は12~3度に保たれ、エアミストも備えている。
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