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残るべき?辞めるべき?40代でヒラ社員の人に残された3つの選択肢

2019.10.04

■連載/あるあるビジネス処方箋

 前回まで、中堅、大企業の社員の選抜の仕組み「ライン」について、私の考えを紹介した。今回は、中堅、大企業(特に金融、商社、鉄鋼、自動車、家電などのメーカー)でラインから完全に外れた人の中で、特に際立つ社員について取り上げたい。その象徴が、40代でもヒラ社員の人ではないだろうか。

 この20数年、総額人件費を削減するために、多くの企業で管理職の数が少なくなっている。「出世だけがすべてではない」と強気に言い放つ人がいるが、40代になっても昇格できない社員がいると、周囲が困る場合がある。例えば、20∼30代からすると、接し方がわからないのではないだろうか。年相応の待遇を受けるようにならないと、多くの人にとって迷惑なのだ。今回は、そのような私の問題意識のもと、40代でもヒラ社員の人の今後について考えたい。

1.とりあえずは残る

 現時点で、49歳以下の場合はとりあえず、少なくとも今後、数年間は現在の会社に踏みとどまったほうがいいのかもしれない。バブル世代(現在50歳前後から50代後半)が役職定年や定年退職(この場合は60歳)になり、大幅に管理職数が減る。もしかすると、何らかの事情で役職に就くことができるのかもしれない。花形とは言い難い部署や部下がいない管理職の可能性が高いのだろうが、一応はヒラ社員ではなくなる。

 課長になっただけでも、喜ぶべきではないだろうか。賞与や退職金の額は通常はヒラ社員のときよりは増えるから、会社や上司に素直に感謝するべきと思う。シビアな会社ならば、40代のヒラ社員を様々な理由をつけて辞めさせる場合がある。それを思えば、ありがたいではないか。

2.転職活動をして、自らを知る

 数年経っても、管理職になることができない場合は、状況いかんでは転職を模索してもいいのかもしれない。ただし、40代である以上、同業で、現在の会社よりは業績やブランド力などのランキングが相当に下位の企業しか、受け入れてくれるチャンスはないのではないか、と私は思う。もしくは、業績などが慢性的に伸び悩む中小企業だろう。

 現時点での仕事力や実績は、転職市場において魅力あるものではないのかもしれないが、定年までヒラ社員のままよりは多少はいいのではないだろうか。転職したところで、管理職になれるとは限らないのだろうが、可能性は高くなるはずだ。

 転職活動をしてみると、自らの市場価値と向かい合う。例えば、書類選考で次々と不採用になったり、内定を得るのに半年以上費やしたりする。内定になったものの、現在の年収の7割以下になったり、役職を与えられても、部下が数人かもしれない。その場合、結局は「レベルが高いとは言い難い人材」だったのだろう。そのことを知るだけでも、すばらしい学びだと私は思う。

 すると、40代でヒラ社員の扱いの処遇は、実は正当なものに思えないだろうか。現在の会社に、「こんな自分を長年雇ってくれて、ありがたい」と感じるようになるはずだ。自分が期待するほどに、優秀ではなかったことに気がつくのが遅かったのかもしれないが、今後は毎日が輝くものになってくるのではないだろうか。

3.定年まで残り続ける

 現実に即して考えると、40代でヒラ社員の人は現在の会社に残り続けるしか、選択肢はないように私は思う。現在の処遇は20代の頃からの蓄積であり、多くの上司たちの判断が積み重なった結果だ。不満であるのかもしれないが、その処遇はそれなりに客観性があり、信用できると私はみている。このような人材がよその会社に移ったところで、活躍する可能性は相当に低いだろう。そもそも、40代でヒラ社員であるとの危機意識すら、あまりないのではないだろうか。その意味での意識が高いならば、20∼30代前半までにもっと真剣に考え、何らかの行動をとっていたはずだ。

 会社が人事制度や人事評価をベースに成り立つ以上、その仕組みや選抜により、ラインから排除された場合、元の扱いを受けるようになるのは通常は難しい。それならば、そこを起点に考えたい。どうあがいても「ラインから完全に外された人材」でしかない。定年までの10数年、ひたすら毎日出社し、黙々と仕事をするようにしたらどうだろうか。はるかに若い社員から軽く扱われても、バカにされても、「家族のため、子どものため」「老後の安定した生活のため」と自らに言い聞かせ、耐えるのだ。

 厳しい捉え方かもしれないが、ある意味で賢い生き方だと思う。間違っても、一時の感情論に流され、自分を買いかぶり、現実離れした選択はしないほうがいい。実は、私がその1人なのだ。説得力がないだろうか。

文/吉田典史

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