バッテリーの持ちは?常時点灯で時刻も見やすくなった「Apple Watch Series 5」の実力をガチ検証!
2019.09.28コンパスに対応しマップの利便性がアップ、電卓やボイスレコーダーも便利
ハードウェアとして、もう1つ先代からの進化といえるのが、コンパスに対応したことだ。コンパス自体はiPhoneにも搭載されている機能だが、Apple Watch Series 5で使えるようになったことで、即座に使えるようになったのは便利だ。コンパスアプリでは、方角だけでなく、傾きや高度なども表示させることができる。
とはいえ、日常生活で、コンパスアプリを起動する場面は、ほとんどないはずだ。恵方巻を食べる時や、引っ越したあと、北枕にならないよう家具を配置する時には役立つかもしれないが、そこまで頻繁に利用するようなアプリではない。コンパスを搭載した直接的なメリットは、マップの使い勝手の改善といえるだろう。Apple Watch Series 5では、マップを起動するときちんと向いている方向まで表示される。
Apple WatchはiPhoneに比べると画面が小さいため、細かな道がわかりづらいのはネックだが、コンパスで向いている方向がわかるようになり、それが緩和された格好だ。ナビゲーションツールとしての価値が上がった点は、評価できる。
計算機やボイスメモに対応したのも、Apple Watchの出番を増やすことになりそうだ。これらの機能はApple Watch Series 5特有のものではなく、WatchOS 6に紐づくものだが、活躍の機会は意外と多い。計算機は、チップ計算にも対応しており、何気にiPhoneのそれより便利だと感じた。Apple Watchなら、海外旅行時のレストランで、スマートにチップを計算することができそうだ。ボイスメモも、サッと録音したい時に役に立つ。コンパクトなため、音質が少々心配だったが、マイクの感度がいいためか、記者会見やインタビューの声を記録用に残しておくには、十分だった。
文字盤の常時表示に対応し、より時計らしさが増したApple Watch Series 5だが、正直なところ、Series 4から買い替える必要があるかといえば、少々微妙といわざるを得ない。特にスマートウォッチ特有の、腕を上げて画面を表示される操作に慣れていると、常時表示のメリットは感じづらいかもしれない。一方で、画面が消えることを理由に、スマートウォッチを敬遠していた人には、オススメできる製品に仕上がった。Series 3以前のApple Watchを利用しているユーザーにとっても、買い替える価値は高そうだ。
【石野’s ジャッジメント】
質感 ★★★★★
持ちやすさ ★★★★★
ディスプレイ性能 ★★★★
UI ★★★★
音楽性能 ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★
決済機能 ★★★★★
バッテリーもち ★★★
*採点は各項目5点満点で判定
取材・文/石野純也
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。