リタイアしたら、新しいことを始めようと思っていた。具体的に何か、というわけではない。料理には漠然と興味があったが、未だ手つかずのままだ。
だが今年1月、ふと思い立った。相撲の幕内全取り組みを見てみよう。僕は巨人・大鵬・卵焼き世代だ(このワープロ、“たいほう”の変換候補に大鵬は出なかった。“はくほう”は白鵬と出るのに……)。相撲は嫌いじゃない。毎日2時間15日間見続けるのは大変だが、録画して仕切り時間は飛ばせばいい。なかなかいい思いつきだと1人合点して、1,3,5,7,9月場所と、全取り組みを見てきた。今ではだいたいの力士の顔と名前が一致する。贔屓は、貴景勝、御嶽海、阿炎、朝乃山、竜電、そしてもちろん炎鵬だ。
相撲はこれまで4回、国技館に見に行ったことがある。初めての観戦は、若貴全盛時。相撲は巨人戦以上のプラチナチケットで、枡席を定価で買えるという時代ではなかった。相撲部屋に顔が利くという知人を通して、定価の3倍くらいで買ったと記憶する。以後友達に誘われて2回、直近では2017年の1月場所、一番安い枡席を定価(買えるか買えないかは別にして、今や定価購入が当たり前になった)で買って、友達を誘って見に行った。
4回ともすべて枡席だ。枡席の定員は概ね4人(6人もある)、一枡買えば1人でスペースを独占しようと4人で見ようと購入者の自由だ。とはいえ、ほとんどの人は4人で見るだろう。枡席は土俵に近いし、力士を間近に見られるし、びんつけ油の香りも漂ってくるので、臨場感は味わえる。しかし、いかんせん大人4人にはスペースが狭い。冬となるとコート等が嵩張り、なおさら狭くなる。畳に座る習慣がないので、足も辛い。2階のイス席の方が、かえっていいのではと長年思っていた。
国技館しか知らないが、名古屋、大阪、福岡の枡席は広いのだろうか?
そこで国技館の9月場所、イス席のチケット購入を試みた。券種はどうせならと、一番安い指定席・2階イスC席/3800円だ。購入手段は店頭、電話、ネットとあるが、日本相撲協会公式販売サイト「チケット大相撲」を選んだ。日にちはもしかすると優勝が決まる可能性がある14日目、たぶん千秋楽に続いて人気のある日だと思う。抽選なので人気日は当たる確率は低いだろうが、イスC席の人気も低いだろうから当たるかもと申し込んだら当たった! 運が良かったのか、イスC席なら当選確率が高いのかは不明だ。