洗濯機の蓋を開けたとき、ぷーんとカビの臭いが鼻につくことはないだろうか。適度な湿度、エサとなる汚れがある洗濯槽は、一度黒カビが繁殖すると格好の温床になる。今回は、カビの防止法からおすすめのクリーナー、さらにはカビが発生しにくい最新機種まで、洗濯機のカビに負けないための情報をお届けする。
適正な洗剤の量から入れ方までメーカー別に解説!まちがいだらけの洗濯機の回し方
なんだかカビ臭い! 洗濯機の掃除は簡単にできる?
脱衣所がどことなくカビくさいなと思ったら、それは洗濯機の中に生えているカビが臭っている可能性が高い。そのまま放っておけば、洗濯した衣類にワカメのようなものが付着し始めることも。これこそが臭いの根源、黒カビである。
洗濯機に発生したカビを掃除したい
洗濯槽に発生したカビの掃除には、市販されている「洗濯槽クリーナー」が有効だ。
ここでは、パナソニックの洗濯槽の洗浄を参考までにご紹介する。(同社は洗濯槽クリーナーに「N-W1」もしくは「N-W2」を推奨)
洗濯槽のカビがなくならない原因
洗濯槽クリーナーで掃除してもカビが落ちない場合、洗濯槽クリーナーの選び方が間違っているか、細部の見えない部分に取りきれないカビが残っている可能性がある。
洗濯機の掃除を徹底的にやるなら「分解掃除」
洗剤を投入して洗うだけでは限界がある。槽の外側にはびこったカビを全て除去したいなら、洗濯機を分解し、洗濯槽を丸洗いするのが一番キレイになる。プロのクリーニング業者に「分解洗浄」を頼むといいだろう。
洗濯機の糸くずフィルターは歯ブラシで簡単に掃除できる
糸くずフィルターにゴミが詰まったままだと、それがエサとなりカビの繁殖につながってしまう。洗濯後に毎回取り外して、中に溜まったゴミを掻き出すのがベストだろう。張り付いてしまった細かな汚れは、先の柔らかい歯ブラシ、綿棒などで軽くこすると良い。
洗濯機の風呂水ポンプ用ホースは「浸け置き」で簡単お掃除
風呂の残り湯をくみ上げるホースも、実は内部にカビが繁殖している場合が多い。ホース内側の黒カビを退治するには「浸け置き洗い」が効果的だ。
浴槽やたらいなどで約50℃のお湯と酸素系漂白剤(100g/10L)を混ぜ、そこにホースを浸けて、1時間ほど放置する。最後にポンプのスイッチを稼動させたあと、洗浄液をゆすげば完了だ。
洗濯機の黒カビ防止3カ条
そもそも、洗濯機はカビが発生しないように“予防”するのが大切。基本的には以下の3点を守ればカビ予防となるはずだ。
・洗剤の使用量を守る
・洗濯機の蓋を開けて、槽内の乾燥を心がける
・定期的に槽洗浄を行う
洗剤の過剰投入を防ぐことで、カビのエサとなる洗剤の溶け残りを減らし、洗濯機の蓋は開けて湿気がこもらないようにする目的がある。
洗濯機の掃除に使えるおすすめクリーナー
ここからは、洗濯槽の掃除用クリーナーを紹介していく。メーカーがクリーナーを指定している場合もあるので、その場合は指定品の使用をおすすめする。
洗濯機の掃除に使えるクリーナー①重曹
キッチンや浴室などの掃除に活躍する重曹は、洗濯槽の掃除にも使える。食べカスや皮脂など洗濯槽に蓄積される酸性の汚れを、アルカリ性の重曹が中和してくれるのだ。また、食品や薬品にも使われる重曹は人体や環境にも優しいとされている。
【参考】NICHIGA 国産重曹
重曹で落ちない洗濯機内の汚れはクエン酸で掃除を
重曹だけでは取れないガンコ汚れがある場合は、クエン酸をプラスするといい。ガンコ汚れのひとつ、溶け残った石鹸カスは酸性、アルカリ性双方の性質があり、アルカリ性の重曹では、同性質のアルカリ性汚れは落ちにくい。そこで、酸性クリーナーであるクエン酸の出番というわけだ。
洗濯機の掃除に使えるクリーナー②過炭酸ナトリウム
過炭酸ナトリウムは酸素系漂白剤と呼ばれる事の多い洗剤だ。酸性クリーナーなので、主に蓄積された石鹸汚れに効果を発揮する。
【参考】NICHIGA 酸素系漂白剤
洗濯機の掃除に使えるクリーナー③ハイター
「ハイター」の主成分は次亜塩素酸ナトリウム(塩素系)と水酸化ナトリウム(アルカリ剤)。その発泡力でこびりついた汚れを浮かしてキレイにする。
【参考】花王 ハイター
洗濯機の掃除に使えるクリーナー④オキシクリーン
人気の洗剤ブランド「オキシクリーン」。こちらは酸素系クリーナーで、お湯と混ぜると強力な泡が発生し、頑固な汚れを落としてくれる。弱アルカリ性のため、アルカリ性の汚れに強い。ただし、金属への使用は変色する可能性がり、ステンレス槽の洗浄は避けた方がいい。
【参考】OXICLEAN オキシクリーン
洗濯機の掃除に使えるクリーナー⑤洗たく槽カビキラー
黒カビ撃退といえば「カビキラー」を思い浮かべる人も少なくないだろう。洗濯槽専用のこちらは塩素系クリーナーで、洗濯槽カビを強力に分解する。全自動洗濯機やドラム式洗濯機でも使えるメリットもある。
【参考】ジョンソン 洗たく槽カビキラー
洗濯機に使える? カビキラーのスプレータイプ
一般的なスプレータイプのカビキラーも塩素系のクリーナー。洗たく槽カビキラーと主成分は似ているが、基本用途に洗濯槽の洗浄は推奨されていない。
掃除が面倒で嫌いな人はカビない洗濯機を選ぶ方法も
ここまで黒カビの予防と掃除の方法を紹介してきたが、最近ではカビが生えにくい構造の洗濯機も販売されている。これから買い替える予定のある人は、以下の記事を参考にしてほしい。
シャープのタテ型「ES-PW11D」ならカビが出ない?
タテ型洗濯機の黒カビや汚れ対策として、シャープでは「穴のない洗濯槽」のモデルもラインアップする。穴が無いことで、槽の外側や底裏についた黒カビや汚れが槽内へと流入しない仕組みだ。「ES-PW11D」なら「プラズマクラスター槽クリーンコース」が付いており、ボタン1つで洗濯槽を丸洗いできるうえ、プラズマクラスターでカビ菌の繁殖を抑制してくれる。
【参考】SHARP ES-PW11D
ドラム式洗濯機には「自動掃除モード」搭載の機種がある
市販の洗濯槽クリーナーの中には、ドラム式洗濯機に対応していない製品も多くある。だが、ドラム式洗濯機には「自動お手入れ機能」が搭載されている製品が多い。詳しい解説は以下の記事にまとめている。
※データは2019年9月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/ねこリセット