ヘッドホンは全て同じように見えるが、大きく分けて音に広がりのある開放型(別名オープン型)と、重低音に強い密閉型の2種類がある。ここでは開放型に焦点を当てて、2種類の違いを探ってみた。
広がりあるサウンドが魅力! 開放型ヘッドホンのメリット
ヘッドホンには振動して音を出す「ドライバーユニット」と、それをおおって支える「ハウジング」がある。耳にくっつく部分は「イヤパッド」と呼ばれ、耳に近い方からイヤパッド>ドライバーユニット>ハウジングとなる。
このハウジングがプラスチックや木材で密閉され外に音が漏れないようにしたのが密閉型。逆にメッシュなどで密閉していないものが開放型だ。開放型は音が外側に向かって抜けるので、音の広がりを感じられ、高音も良く鳴らす。さらに密閉型に比べると、比較的軽い装着感となる。
コスパのよい開放型ヘッドホンはこれ!
KOSS オープン型オーバーヘッドヘッドホン 折りたたみ式 PORTAPRO
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Amazon販売価格は4406円。折りたたみ式なので持ち運びにも収納にも便利。音質や装着感が良く、スマホ通話にも対応しているお値段以上の優れもの。
開放型ヘッドホンはどの程度音漏れするかチェックして使おう
開放型のデメリットは「音漏れすること」だ。音漏れの程度はメーカーごとに異なるので、どれくらい音が漏れるのかはしっかり把握しておこう。
メガネをかけても使いやすい開放型ヘッドホンの条件は?
メガネをかけてヘッドホンを使うと頭や耳が痛くなることがある。密閉型でも開放型でもこれは起きるが「軽さ」と「イヤパッドの素材」選びで軽減できる。軽いほうが耳への圧迫感が減り、柔らかくて大きめのイヤパッドだと耳への負担が少ない。
シーンで使い分けよう! 開放型と密閉型のヘッドホン
ここでは開放型・密閉型のメリットとデメリットを紹介しよう。
【参考】自分好みの音を鳴らすのはどのメーカー? ヘッドホンの音づくりの特徴を比べてみた
開放型と密閉型ヘッドホンの違い
ドライバーユニットやハウジングについては前述したので、ここでは2つの違いとメリット&デメリットを簡単にまとめよう。
【開放型】
・構造
ハウジング部分がメッシュ仕様などで密閉してない
・メリット
音に広がりがある/高音に伸びがある/装着感が軽いものもある
・デメリット
音漏れする/周囲の音も聞こえる
【密閉型】
・構造
ハウジング部分が木材やプラスチック素材で完全に覆われている
・メリット
遮音性が高い/低音が響くので迫力が出る/周囲の音やノイズが入りにくい
・デメリット
音がこもりやすい/高音に弱いこともある
開放型と密閉型ヘッドホンの見分け方
ハウジング部分が密閉されているかどうかが見分け方のポイントだが、素材での判断は難しい。さらに最近では密閉型と開放型の中間も出てきている。ネットで買う時は商品紹介文をよく読み、店頭で買う時は店員に確認しよう。
開放型と密閉型ヘッドホンの音質の違い
前述の通り低音なら密閉型・高音なら開放型が強い傾向がある。どの音域を重視するかで選ぶことと、実際に店頭で試して好みの音質のヘッドホンを選ぶことをおすすめする。
ゲームをするならヘッドホンは開放型より密閉型?
ゲームをするならヘッドホンは密閉型がおすすめだ。これは周囲の音を遮断してゲームの世界に集中できるからだ。なお、ゲームは普通のヘッドホンではなく「ゲーミングヘッドセット」と呼ばれる専用のものがある。商品を探す時はゲーミングヘッドセットかを確認しよう。
集中したいなら密閉型! 疲れにくさなら開放型! 映画に向いてるヘッドホン
映画も集中して見るなら密閉型がおすすめだが、密閉型は音がこもりやすく長時間使用には不向きだ。人によっては映画を見ている最中に何度も中断する羽目になるので、疲れやすい人は開放型も試してみよう。
開放型ヘッドホンのおすすめを種類ごとに紹介!
ここではAmazonで買えるおすすめの開放型ヘッドホンを紹介する。
【参考】コスパ重視、音質重視、ゲーム用、密閉型・開放型、ヘッドホンのおすすめ11選
リアルサウンドがおすすめ! ゼンハイザーの開放型ゲーム用ヘッドホン
ゼンハイザー ゲーミングヘッドセット 開放型/ノイズキャンセルマイク GSP500
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ごく自然でリアルな音場を作り出してくれる。長時間使っても疲れにくい。ノイズキャンセリング機能付き。Amazon販売価格は2万4189円。
音の解像度に自信あり! ゼンハイザーのハイエンドな開放型ヘッドホン
ゼンハイザー HD800 ダイナミック・オープン型ヘッドフォン
【参考】Amazon詳細
ゼンハイザーのHD800は音響の空間が広く、ヘッドホンというよりスピーカーで聞いているような臨場感を得られる。現在のAmazon販売価格は287,759円。ハイエンドモデルはかなり高価なので自分の耳で確かめてから買ってほしい。
ハイレゾ音源にも対応する開放型ヘッドホン
audio-technica エアーダイナミックシリーズ オープン型ヘッドホン ハイレゾ音源対応 ATH-AD1000X
【参考】Amazon詳細
ドライバーは53mmの大口径ユニット。ダイナミックなサウンドと透明感のある音が特徴だ。装着感の軽さやフィット感にも定評がある。Amazon販売価格は3万4430円。
マイク付きの開放型ヘッドホンならゲーミング仕様で
マイク付きヘッドホンを使う場合、単なる通話目的よりも、ゲームをしながら会話する……というシーンが多いだろう。その場合は、マイク付きで検索するより、前述したゲーミングヘッドセットで探すことをおすすめしたい。
DTMなどのモニターで使いたい! モニター開放型ヘッドホン
録音や作曲、演奏などで使用するモニターヘッドホン。通常のヘッドホンとは役割が違い、音を細かくチェックするモニター作業で使われる。なるべく音源を忠実に再現しフラットに聞こえるものが望ましいが、用途で求める機能は細かく違ってくる。ここでは一例を紹介しよう。
beyerdynamic ダイナミックオープン型オーバーヘッドホン DT990PRO
【参考】Amazon詳細
しっかりしたヘッドバンドとソフトなイヤパッドで長時間のモニターでも疲れにくい。ケーブルは片方にしかないので付けたまま動きやすいのも魅力的だ。開放型だが低音もよく響き、ナチュラルにサウンドが広がるので再現性が高い。Amazon販売価格は1万6990円。
ワイヤレスがいいならソニーの開放型ヘッドホン
ワイヤレス接続は、音の圧縮転送や遅延などの課題があるのは確かだ。しかし、ソニーのワイヤレスヘッドホンはワイヤードに比肩しうる性能で人気だ。
SONY コードレスステレオヘッドホンシステム オープン型 MDR-IF245RK
【参考】Amazon詳細
トランスミッター式で情報をより多く伝達できるモデル。40mmドライバーユニットを搭載しており、赤外線伝送で臨場感あふれるサウンドを再現できる。Amazon販売価格は4422円。
3000円台で買える! オーディオテクニカの開放型ヘッドホン
オーディオテクニカ エアーダイナミックヘッドホン ATH-AVA300
【参考】Amazon詳細
Amazon販売価格は3368円。音の抜けを向上させたハニカムパンチングケースを搭載したことで、よりナチュナルな音が楽しめる。布製イヤパッドで耳への負担も少ない。ヘッドホン初心者や、サブとして買うのにおすすめ。
開放型ヘッドホンを選ぶ時は「多少は音漏れしても平気/周囲の雑音が気にならない環境」であることが第一条件となる。それから使うシーンや目的、使う時間などを考えるのがおすすめだ。まずは数千円~数万円のものから始め、もっといい音が欲しくなったら上位モデルを検討してみよう。
※データは2019年9月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
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文/ねこリセット