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いよいよ光触媒の時代がやってくる!?カルテックが発売する壁掛けタイプの除菌・脱臭機の革新性

2019.09.16

光触媒フィルターは交換不要で、洗浄するだけで半永久的に効果が持続

 吸着フィルターがないため薄さ88mmで壁と一体化するノイズレスデザインを採用。業界初の壁掛け式だが、重さが約3㎏なので家庭の石膏ボードの壁に付けられる。取り付けやすいように水平器を標準装備し、専用の極細モールも付けて配線をすっきりと見せる。

 光触媒フィルターは交換が不要。洗浄するだけで脱臭・除菌効果が半永久的に持続するという。

「触媒表面には触媒毒(反応カス)は必ず溜まる。メンテナンス不要と謳っている光触媒製品があればそれはニセモノだと思っていい(笑)。反応カスは水に簡単に溶け出すので、3~6カ月に一度の頻度で、一晩水かぬるま湯に浸けておき乾燥させればメンテナンスはOK。この方法で約10年は初期性能が持続できる。プレフィルターに付く大きなホコリなどはエアコンと同じ頻度のメンテナンスを」(染井氏)

 シンプルな操作設計で使いやすく、スイッチは見えない側面に配置。ニオイに対する感じ方は環境や個人差により異なるため、嗅覚の嗜好によってニオイセンサー感度を3段階に切り替えることができる。

 今年度は約5000台、来年度は約5万台の販売を目指す。今後は電球、シーリングライトなどの照明ラインアップ、大型のフラッグシップモデル(壁掛けの10倍ほどの高性能タイプ)、薄型の床置き、小型、モバイルと、今年度は「ターンドケイ」を含めて3モデル、来年度は5モデルを新製品として出していく予定という。

【AJの読み】ニオイ課題を解決する光触媒技術に注目

 ニオイに敏感で、映画館で隣の人の服から発するタバコ臭に気分が悪くなり中座したこともある。家人が吸っている電子タバコ特有のニオイも悩みの種だ。人によって嫌いなニオイの種類は異なるが、生乾き臭、生臭み、アンモニア臭がカルテックの脱臭機でどれだけ除去できるか、体験ボックスのニオイを嗅いでみた。一番きついと感じたのは生乾き臭だが、脱臭機を通すとニオイは全くと言っていいほど感じなかった。

 脱臭機はとても興味があるが、空気清浄機と、除菌・脱臭機の違いがイマイチわかりにくい。花粉やウイルス、ホコリ、ニオイと幅広く対応するのが空気清浄機、タバコ臭、ペット臭、生乾き臭、介護臭などニオイを除去することに特化したのが除菌・脱臭機で、「ターンドケイ」は除菌・脱臭機のカテゴリになる。ウイルス、有害物質、細菌、悪臭成分を光触媒で酸化分解し、きれいな空気にするという意味では空清機と重なるが、アレルギー対策としてはどうなのだろうか。

「強力な風を出すのではなく、部屋を循環させる程度の風で空気清浄機が取れないような微細なVOC有機物をキャッチして分解する。花粉も分解するが時間がかかる。現在試験中だが、光触媒の上に花粉が転がるとアレルゲンが低下する報告もあり、今後実証していきたいと考えている」(染井氏)

 今年2月にアース製薬から発売された光触媒を使った蚊取り機「アース蚊がホイホイ Mosquito Sweeper」の発表会で、光触媒の発見者である藤嶋先生の講演を聞き、脱臭、除菌の機器や壁材、外装建材にも広く応用されていると知った。

 素人考えでは有害物質を発生させない光触媒は空清機や脱臭機に真っ先に応用できそうと思ってしまうが、今年5月に「ターンドケイ」に先立ち、シャープが光触媒を搭載した脱臭機を発売したものの、光触媒をメインにした脱臭機は大手メーカーではあまり見かけたことがない。

「光触媒製品は大手がラインナップとして揃えられなかった中で、中小規模のメーカーさんから脱臭機がいくつか出ているが、外観が大手メーカーの空清機と同じで違いがわからないためユーザーが大手を選ぶ傾向にあった。もうひとつは光触媒という性能をきちんとアピールできていなかったからではないか」(染井氏)

 染井社長は30年間シャープで開発を担当し、昨年、光触媒技術を核としたカルテックを創業した。シャープ時代に光触媒が商品化できなかった理由について明言は避けたが、大学時代から光触媒を研究テーマとしていた染井社長の言葉には、光触媒を広く認知してもらいたいという想いと、自社の光触媒技術に対する自信が感じられた。

文/阿部 純子

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