高齢者はアクセルとブレーキペダルを踏み間違えて事故を起こすことが多いとされる。
しかし、アクセルとブレーキペダルの踏み間違いは初心者、特に若者にも多いという。
アクセルとブレーキペダルの踏み間違いは若者にも起こりうる
交通事故総合分析センターは、75歳以上の高齢者が第1当事者になる四輪車のペダル踏み間違い事故の割合を調査した。
その結果、平成24〜28年で3%を超過、75歳未満と比較してペダル踏み間違い事故が多くなっている。
一方、24歳以下が第1当事者になる事故が25〜64歳の年齢層に比べて多いこともわかっている。
※交通事故総合分析センター イタルダインフォメーションNo.124より引用
【参考】交通事故総合分析センター
さらに、交通事故総合分析センターは、ペダル踏み間違い事故の人的要因も調査、その結果、「高齢(加齢によって運転への支障があったと判断した)」と答えた人よりも、「慌て、パニック」が要因だと回答した人が多かった。
慌て、パニックを引き起こす可能性は運転技量・経験不足にも依存する。初心者はそんな心理状態におちいる可能性が高いので注意したい。
アクセルペダルとブレーキペダルに置く足の位置を確認する
アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いによる事故が多発している現状、普段からペダルへ足を置く位置には注意したい。特にオートマチック車を運転している初心者は、今一度確認していただきたい。
アクセルとブレーキペダルの踏み間違いはマニュアル車よりオートマ車が多い?
オートマチック車はアクセルペダルが右側に、ブレーキペダルが左側に配置されているだけなので、多くのドライバーは右足の踏み替えだけで操作を行っている。
ブレーキペダルを踏んだつもりでアクセルペダルを強く踏み加速。慌ててパニックとなり、さらにアクセルペダルを強く踏み込んでしまうことが、アクセルとブレーキの踏み間違い事故の主原因となっている。
一方、マニュアル車の場合は左足によるクラッチペダルの操作がある。そのため、アクセルペダルを強く踏み込んでも、クラッチペダルを踏み込んでいれば、車両が急加速することはない。
アクセルブレーキ踏み間違い対策「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」とは?
ドライバーの多くは、アクセルとブレーキペダルの踏み間違いなどしないと思っている。しかし、パニックなどで正常な判断ができないケースでは、車両側で事故を防ぐための対策も必要となる。そこで重要となるのが「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」だ。
ペダル踏み間違い時加速抑制装置(誤発進抑制機能)の新車乗用車への装着は、国土交通省の調べによると2012年頃に始まり、2017年では装着率が65.2%まで進捗している。
【参考】国土交通省報道発表資料
さらに、2020年までに自動ブレーキの新車乗用車搭載率を9割以上とする目標を、同省は掲げている。
【参考】国土交通省「高齢運転者による交通事故防止対策について(安全運転サポート車の普及啓発)」
しかし、少し前に生産・販売された中古車両などの多くは、ペダル踏み間違い時加速抑制装置がない。そのため、後付けが可能なペダル踏み間違い時加速抑システムが今、注目されているのだ。
トヨタの後付け可能なペダル踏み間違い時加速抑制装置
トヨタは後付けできるペダル踏み間違い時加速抑制装置を販売、取付を行っている。
【参考】踏み間違い加速抑制システム
基本的なパーツは超音波センサーにコントローラー、表示器となっている。
最初に前後バンパーへ超音波センサーを取り付ける。
そして、コントローラーを設置、配線を施す。運転席から見える場所に表示器も設置する。
超音波センサーが、車両の前後約3m以内に壁などの障害物があると、検知してブザー音やランプ表示でドライバーに注意喚起をする。
さらにアクセルペダルを強く踏み込んだ場合は、加速を制御する。
例え障害物を検知していなくても、後退する時は、時速約5km以上でアクセルを強く踏むと加速を抑制する制御をする。
ペダル踏み間違い時加速抑制装置は急加速を抑制するが、ドライバーは必ずブレーキペダルを踏んで停止する必要がある。
プリウスのほか、プレミオ、ポルテ、アクアなど12車種(約458万台相当)が取り付け可能なトヨタ車となる。
【参考】TOYOTA、後付けの踏み間違い加速抑制システム 対象車種拡大
オートバックスのペダル踏み間違い時加速抑制装置「ペダルの見張り番」
自動車メーカーの純正品以外にも、後付けできるペダル踏み間違い時加速抑制装置は販売されている。
「ペダルの見張り番」はオートバックスが販売・取付を行っている。
【開発秘話】年間販売目標を5日で達成したオートバックスの急発進防止装置『ペダルの見張り番』
国産メーカーの幅広い車種に対応し、全国のオートバックス/スーパーオートバックス店舗で販売・取り付けを行っている。
※データは2019年8月下旬時点での編集部調べ。
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文/中馬幹弘