「頼りベタ」が頼り上手になるには?
頼り上手になることは、思っている以上にメリットがあるようだ。では、頼りベタを自覚している人が、頼り上手になるには? 吉田さんは次の3つのポイントを挙げる。
1.一度断られたからといって、二度目を躊躇しない
「何かを頼んで断られた相手に、また頼みたいことができたとき、『こないだは断られたし、今度もどうせ頼んでも受けてくれないだろう』と思うのは大間違いです。もちろん断られる場合もありますが、『前に断って悪いことしたな。今度は応えなきゃ』と相手が思う確率はかなり高いです。断ることは大きなパワーを使うので、次は応えたいと思っているものなのです」
2.事前に「お願いしたいことがある」と伝えてから頼みごとをする
「事前に頼みごとがあることを相手に伝えると、相手が協力してくれる確率は大幅に高まります。なぜなら、約束をすることで『ノー』と言うことへの抵抗が高まるからです。目の前の相手へ協力するといった、『協力する』という一貫性を保とうとする心理が働くのです」
3.人は頼られるのが嬉しい
「人は、頼られると自己効力感が満たされます。道を聞かれたら、喜んで教える人もいます。私自身、関東の人間なのに、大阪や京都で道を聞かれて嬉しく思い、ちょうど分かる場所だったので、丁寧に教えたことがあります。多くの部下は上司に頼られたいと思っており、多くの部下は上司に頼られることで自分が認められていると思います。ですから、『頼んだら嫌がられるのではないか』というのは一つの思い込みにすぎないのです」
頼みベタの人は、ほとんどの場合、思い込みが苦手意識をもたらしているようだ。頼み上手になって、メリットを享受するのもいいかもしれない。
【取材協力】
吉田幸弘さん
人材育成コンサルタント。外資系専門商社などでの勤務を経て、独立後は、自らの経験に心理学や古典などで学んだメソッドを加え、全国で講演・コンサルティング活動を行っている。受講者数は3万人以上、著書は9冊。
http://yukihiro-yoshida.com/
取材・文/石原亜香利