SHOPLIST×bodygramで何が起こる?
−−SHOPLIST側としては「サイズ違いによる返品率の減少」などにも期待できそうですが、bodygramを導入した”決め手”はどこにあったのでしょうか?
ジン:「ソフトウェアだけで使える点」「使いやすさ」「精度の高さ」を評価していただいていると思います。返品率の低下もそうですが、我々はユーザーコンバージョンがさらに上がっていくのではないかと見込んでいます。
やはりeコマースですとユーザーは「サイズは大丈夫かな?」と、購入を躊躇してしまうことも少なくありません。bodygramで自分の正確なサイズを把握できれば「納得感」が増し、結果として購入率の増加や単価の向上にも繋がると考えています。
−−サイトの説明を拝見すると2名で写真撮影を行っていますが、一人で利用することはできますか?背景の指定など、撮影を行う際のコツはあるのでしょうか?
ジン:SHOPLISTのアプリにはセルフタイマー機能が搭載されており、一人で撮影することも可能です。
背景に必要な条件はありません。これがAIを活用するメリットでもあるのですが、日本の住宅事情を考えると壁際に棚があるなど、十分なスペースが取れないケースも少なくありません。AIを活用しているからこそ、どのような条件下でも正確に測定ができるんです。
bodygramの展望
−−ライフスタイル領域・ヘルスケア領域への展開もお考えとのことですが、今後の展望についてお聞かせください。
ジン:「エアウィーブ」でもbodygramを導入することが決まっています。bodygramの技術で体型や姿勢を測定し、その人に合ったカスタマイズマットレスを提供する予定です。
また、現在ではヘルスケア、フィットネス、ライフスタイル領域の企業さんから、多数の問い合わせをいただいています。
使い方は「導入企業の想像力」に任せている方針もあり、中には私たちとしても「想定外なアプローチ」もあります。最終的には、我々の技術を個人ディベロッパーでも気軽に活用できる世界を目指しています。
−−それだけ応用ができるとなると、他の分野でもbodygramの技術に触れる機会が増えていきそうですね。本日はありがとうございました。
日本においてもAIの存在は広く知られてきたものの、普段の生活の中でそのありがたみや利便性を直接的に感じるシーンはまだまだ少ない。誰でも簡単に利用できるbodygramは、AIと人間との身近な接点の一つにもなるだろう。
SHOPLISTでの利用は、現在「一部のユーザー」に限られている。段階的に全ユーザーが利用可能になる予定だという。いち早くbodygramの採寸技術を体験したい方は、SHOPLISTアプリをダウンロードしてその時を待とう。
取材・文/久我裕紀