上司型妻とうまく付き合うには?
高草木さんは、上司型の妻は内面的には「甘えたい」「頼りたい」という気持ちがありながら、それを抑えてしまう甘え下手という点を指摘する。
そこで、この点をふまえて、「まずは才能や能力を認めてあげましょう。そうすることで、夫への信頼感が高まり、妻にとって夫が心を許せる存在へと変化していきます」とアドバイスする。つまり、面倒見の良さといった美点をさりげなく褒めると、円滑な夫婦関係が期待できるわけ。
くわえて、以下のポイントを押さえておくのも効果的だそう。
イメージと違った部分を伝える
「しっかりしている」印象をもたれやすいが、実は無理をしている人も多い。そこで「本当は繊細な部分があるよね」など、敢えてイメージとは逆の印象を伝えてあげることで心を許しあえる関係性につながる。
「教えて」の精神で接する
向上心がある人に好感を抱く傾向があるので、「教えてください」の精神で接すると良好な関係が築ける。議論になった場合は、感情に共感してから自分の意見を述べるようにすると受け入れてもらいやすい。
また、「間違いない」「賢い」「芯が通っている」「デキる」は、このタイプの妻が喜ぶフレーズ。適切な場面で、さっと口から出させるよう覚えておきたい。
逆に、最悪の地雷フレーズは「頑張れ」だ。完璧主義で、すでに頑張りすぎている上司型妻は、こう言われると、追い詰められた気分になってしまうのでNGだ。
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上司型のモラハラ妻の傾向と対策は、上に挙げたものがすべてではないが、本書を一読することで、問題解決への大きな一歩となるはずだ。別居・離婚へと一足飛びの結論を出す前に、できることからやってみるとよいだろう。
高草木陽光さん プロフィール
「HaRuカウンセリングオフィス」代表、夫婦問題カウンセラー。自身の夫の束縛や価値観の押しつけに違和感を覚え、「結婚生活とは何か」ということを深く考えはじめたときに「離婚カウンセラー」という職業があることを知る。これをきっかけに、「NPO法人日本家族問題相談連盟」の認定資格を取得し、夫婦問題カウンセラーとなる。「直そうとしないで、わかろうとする」カウンセリングをモットーに、現在までに約8千人のカウンセリングを行い、日々活動中。「ニュース シブ5時」(NHK総合)などメディア出演多数。ほかの著書に『なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか』(左右社)がある。公式サイト:https://haru-counseling.com/
文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)