DIME MAGAZINE
離陸して水平飛行に入った後、シートベルトサインが消灯。LCCに搭乗すると感じることとして、シートベルトサイン消灯後、前の席の人がリクライニングすると自分の空間がかなり狭くなる。夜行便は、多くの利用者がリクライニングするので、自分もリクライニングして空間を確保するが、やはり昼間便ではリクライニングしにくい雰囲気があるのも事実だ。もちろんリクライニング機能ある以上は、リクライニングすること自体は問題ないのだが、日中の便でフルリクライニング状態になるとノートPCは確実に開くことが不可能になる。今回、プレリクライニングシートにおいて、テーブルを出して12.1型の「レッツノート」を出してみたが、元々狭いこともあり多少窮屈な状態ではあったが特にタイピングなどは問題なかった。狭さが気になるのであればテーブルを戻して膝の上にノートPCを置いて作業するのもありだろう。この点は機内でノートPCを使う人にとっては大きい。前の人にシートを倒されるリスクがないというだけでも評価できるシートと言っていいだろう。着陸時もテーブルは元の位置に戻す必要があるが、シートはそのままの状態で着陸態勢に入れることで、基本的にはテーブルが元の位置になっており、手荷物を足下に収納し、シートベルトを着用していれば起こされることもないのだ。着陸時もプレリクライニング状態になっていることで圧迫感がなく、成田空港に到着することができたのだ。
ノートパソコンも問題なくテーブルの上に載せて操作することができた
京都の老舗珈琲店「イノダコーヒー」のホットコーヒーが300円で注文できる
もし機内で確実に仕事をしたい場合や足下がゆったりしたシートで移動したい人は、12列目・13列目の非常口座席がおすすめだ。最前列も広くて快適だが最前列の「ファストシート」よりも非常口座席の「スマートシート」の方が、座席指定料金が安いからだ。インターネット上で航空券を購入した場合、多くの利用者が使う運賃「シンプルピーチ」「バリューピーチ」においては770円を追加するだけで非常口座席を指定することが可能だ。国際線でも追加料金は1200円となっており、プレリクライニングシート対象機材に関係なく、非常口前の「スマートシート」はおすすめだ。
足下が広くて快適な非常口座席。国内線であれば770円の追加料金で指定可能
機内で快適に過ごせるプレリクライニングシートが搭載されたエアバスA320型機は、6月末現在で2機のみとなっており、事前にどの便に投入されるのかは公表されておらず、プレリクライニングシートの投入機材に当たればラッキーということになる。今後の計画としては、今年中にエアバスA320ceo型機の2機、また2020年から導入するA320neo型機の8機の合計10機に導入することが決まっており、当たる確率も高くなるだろう。LCCの新常識になるかもしれないプレリクライニングシートに注目だ。
真新しいレカロ社製のシートでLCCでも快適フライト
取材・文／鳥海高太朗
航空・旅行アナリスト、帝京大学航空宇宙工学科非常勤講師、ANA「What’s up? ANA」社外編集者
最新号
