「3Dプリンターで作られたケーキ」を食べたことはありますか?
アートのように美しいケーキが、最近ボストンにオープンしたカフェ「Jonquils」で食べられると話題になっています。
独創的なケーキを生み出すパティシエとは?
この独創的なケーキを生み出しているのは、ウクライナ出身の女性パティシエ「Dinara Kasko(ディナラ・カスコ)」
元建築家という異色の経歴を持つディナラ。
育休中に趣味のケーキづくりをしているうちに、建築よりも洋菓子作りの方が好きだということに気付き、パティシエへと転向しました。
様々なケーキを作りましたが、「周囲と同じケーキを作っていてはつまらない。他のパティシエとは異なるケーキを作れないか?」と考えていた際、3Dプリンターを使ったケーキを思い付きました。
そして3Dプリンターを使用して作ったシリコン金型を用いて、まるでアート作品のようなケーキを次々と生み出し、Instagramにアップしていくことで、世界から注目されるパティシエになりました。
数学者や科学者、彫刻家と協力しながら作られる、ディナラが生み出す幾何学なケーキをいくつか紹介しましょう。
3Dプリンターを使った独創的なケーキとは?
1.Origami Cakes(折り紙)
日本の折り紙にインスパイヤされて作られたというケーキ。
東京大学名誉教授の三浦公亮教授が、人工衛星の太陽電池パネルの展開方法を研究する過程で生み出した「ミウラ織り」
大きな物を小さくたためる折り方で、防災・観光用地図の畳み方などにも使用されています。
このミウラ織りにインスパイヤされて作られたケーキが「Origami」です。
完璧に折り紙の折り目が再現されたこのケーキ。
外側はリンゴ、内側はチョコレートとキャラメルで作られています。
2.Cherry Cakes(チェリー)
まるでチェリーが重なり合ってできているかのように見えるケーキですが、チェリーは使用されていません。
チェリーの形をした金型を3Dプリンターで作った後、金型に生地を流し込み、最後にベリーのコンフィをぬって作られているのです。
この金型が完成するまでに膨大な数の試作が行われたそうです。
このように赤いのは表面だけで、中にはチョコレートのスポンジ生地とチョコレートムースがたっぷり詰まっています。
3.Algorithmic Modeling Cakes(アルゴリズム・モデリングケーキ)
ブラックチョコレート、見る子チョコレート、ホワイトチョコレートの次の「第4のチョコレート」として、最近日本でも話題になったルビーチョコレートを際立たせるために作られたケーキ。
微妙に異なる形をした81個の小さなケーキを組み合わせて、1つのケーキが創り出されています。
このケーキは、各オブジェクトの傾きと面積の値を少しずつ変更し、3Dプリンターを用いてプログラミングすることで完成しました。
内側にはベリーのコンフィやルビーチョコレートが詰まっており、断面も非常に美しいケーキとなっています。
これらのケーキに使用されている金型はHPで販売されているので、興味のある方は購入して家でこの幾何学的なケーキ作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?