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遺言書と遺言状の違いは?大人になったら知っておくべき遺言書の種類、書き方、保管方法

2019.07.06

遺言信託はどう利用する?

遺言信託とは、厳密に言えば遺言で財産などの管理運用を受託者に任せることを指します。一方、広い意味(一般的な)での遺言信託は銀行などが遺言作成から保管、執行に至るまでセットで請け負うサービスです。ここでは後者で説明します。

遺言信託を依頼すると、通常は以下のような流れになります。

・相談
・遺言公正証書作成の補助
・遺言書の保管
・定期的な照会
・遺言者死亡後、遺言の執行者として手続き開始

遺言信託にかかる費用は?

銀行や信託銀行では、遺言に関する一連の流れを全てサポートするセット商品が多く、最低でも100万円以上かかります。

遺言信託のメリットとデメリット

メリットは、遺言に関するスペシャリストが関わり、遺言者が亡くなり、遺言執行までサポートしてくれるので、安心して任せることができる点です。何より法人なので、遺言者より先に亡くなる心配もありません。

デメリットは、料金が高額なこと。いろいろオプションを付けると200万円を超えることもあります。また、相続人同士で法的紛争が起きそうな時、税務に関することなどは、別途専門家に依頼しなければならない点があげられます。

遺言信託を三井住友銀行で利用するなら

2タイプ用意されています。詳細はこちらから

【参考】三井住友銀行詳細ページ

遺言信託を三菱UFJ銀行で利用するなら

三菱UFJ信託銀行の代理店として、遺言作成から管理、資産継承などが用意されています。

【参考】三菱UFJ銀行詳細ページ

遺言代用信託って何?

遺言を作成することなく、指定した人に財産を引き継ぐことができる仕組みです。死後はもちろん、生前から利用することができます。

簡単に説明すると本人(委託者兼第一受益者)が自身の資産を受託者(銀行など)に信託し、受取人(家族など第二受益者)、額などを指定します。受託者はそれに従い、委託者や受取人に定期的に支払いを行います。

つまり、本人の思うがままに受託者がその資産を配分していくサービスなわけです。
詳細はこちらが参考になります。

【参考】一般社団法人信託協会

遺言代用信託の遺留分とは?

本人の思うがままと書きましたが、遺留分だけは侵害することができません。特定の人だけに遺産が分配される希望をしても、遺留分減殺請求により覆され、トラブルの元となるので注意が必要です。

遺言代用信託を使うメリットとデメリット

遺言代用信託は一定のお金を銀行に預け、受託者はそれを運用していくため、元本保証(1000万円まで)で手数料無料のところもあります。また、生前から信託しているため、本人が亡くなっても貯金の引き出し手続きがスムーズ。孫の代まで遺産の分配を指定することもできます。

デメリットは、原則として中途解約ができない。相続税に関する相談は別途。受託者により内容が異なる。様々なオプションを付けると、手数料などが高額になるなどがあります。

遺言代用信託で相続税はどう扱う?

相続税は通常の遺言によるものと、遺言代用信託とで変わりありません。

遺言代用信託で不動産や株式はどうなる?

扱う機関により現金のみ、不動産や株式も可など差があります。まずは相談を!

遺言執行者とは?

遺言を実現するための権利を持った人を指します。未成年者と破産者以外なら遺言執行者になれますが、正しく指定・選任されていることが必要です。

遺言の実行のため必ずしも必要ではありませんが、認知や相続人の廃除などは、遺言執行者がいなければできない手続きです。

遺言執行者の報酬は?

あらかじめ遺言に報酬額が記されていれば、それに従います。弁護士や司法書士などの専門家に依頼する場合は、最低価格が20万円くらいと考えておけばいいでしょう。

遺言執行者の選任はどうする?

・遺言者が遺言により直接指定する。
・遺言者が遺言により、第三者に指定を委ねる
・必要に迫られて遺言執行者を選任しなければならない時は、家庭裁判所への申立が必要です。

遺言執行者の義務

まず、遺言執行者としての任務を開始する時、直ちに受任と、遺言内容の通知を行わなければなりません。次の義務も法律で明記されています。

・善管注意義務
・目録作成義務
・報告義務
・受取物などの引き渡し義務
・補償義務

遺言執行者の権限

遺言執行者は法的に強い権限があり、「相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する(改正民法第1012条)」と明記されています。

遺言執行者と相続人の関係は

法律には「その権限内において遺言執行者であることを示してした行為は、相続人に対して直接にその効力を生ずる(改正民法1015条)」と記されています。

遺言執行者の代理人は立てられる?

何らかの理由で遺言執行者としての任務を果たせない時は、その人の責任により代理を立てることができます。

遺言執行者の解任はできるの?

執行能力の低下や体調不良などで遺言執行者を続けることができないなど、やむを得ない事情があれば、家庭裁判所に任務の執行停止を申立てることできます。

遺言執行者がいない場合はどうする?

遺言に指定はあったが、その人が遺言者より先に死亡しているケースでは、執行者不在のまま相続人たちで手続きを進める。もしくは家庭裁判所に選任の申立を行うかを選びます。

指定された人が執行の途中で死亡した場合は、家庭裁判所に選任の申立を行います。
家庭裁判所への選任の申立の詳細は、こちらが参考になります。

【参考】裁判所詳細ページ

文/西内義雄(医療・保健ジャーナリスト)

医療・保健ジャーナリスト。専門は病気の予防などの保健分野。東京大学医療政策人材養成講座/東京大学公共政策大学院医療政策・教育ユニット、医療政策実践コミュニティ修了生。高知県観光特使。飛行機マニアでもある。JGC&SFC会員。

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