遺言書の遺留分って何?
遺留分とは、法定相続人に最低限認められる相続割合のことです。たとえば、1000万円の現金を子どもAとBの2人で分けるなら、法定相続分はそれぞれ1/2になるので、500万円ずつ相続することになります。
それが遺言で1000万円を全てAに相続させると書かれていた場合、Bが納得できないと遺留分減殺請求を行えば、法定相続分法定相続分の1/2が認められます。つまり1/2×1/2で1/4となり、Aが750万円、Bは250万円を手にすることができるわけです。
遺言書の保管方法は?
自筆遺言証書は親しい人に存在を明らかにしておかないと、無駄になる恐れがあります。保管は自宅や貸金庫を選ぶ人が多いのが現状です。しかし、2020年7月10日からは、申請すれば法務局で保管してくれる制度が始まるので、こちらを利用することをオススメします。
公正証書遺言は、公証役場に原本があるので保管や改ざんについてさほど心配する必要はありません。
秘密遺言証書は、公証役場に作成した記録が残るだけで、保管は自己責任になります。
いずれにしろ、遺言者が亡くなった後に、確実に遺言を執行してもらうためには、自分より長生きする親しい人、信頼できる人に存在と保管場所を報せておく必要があるわけです。また、別の手段として、法人(信託銀行)などに委託する方法もあります。
遺言書の効力は?
有効期限はありません。どの形式の遺言書でも、最新のものが優先されます。
遺言書の開封はいつ行う?
封印されている遺言書を見つけたら、家庭裁判所で検認の手続きをします。封書に公正証書遺言だと明記されていたり、封印そのものがされていない場合は例外的に開けて読んでも問題ありません。
封印されていない自筆遺言証書だった場合は、たとえ読んでしまった後でも、家庭裁判所で検認の手続きが必要です。
*2020年7月10日以降に法務局で保管された自筆遺言証書なら、検認の必要はなくなります。
遺言書の読み方
封印された自筆遺言証書や秘密遺言証書は、家庭裁判所の検認当日に、申立人や出席を希望する相続人立ち会いの元、遺言書の開封と内容の確認することができます。もちろん、欠席しても相続人であれば後から読むことは可能です。
遺言書の検認とは?
検認は、遺言書の偽造や変造を防ぎ、内容を明らかにするためのものです。自筆遺言証書や秘密遺言証書は、この手続きを踏まないと金融機関から遺言者の預金を引き出すことも、不動産に手を付けることもできません。
公証役場で中身を確認、保管されている公正証書遺言や、2020年7月10日以降に法務局で保管されている自筆遺言証書なら、検認の必要性はありません。すでに公的な機関で写しを保存されているなど、偽造・変造防止がすでに行われている場合は、手続きを省くことができます。
遺言書の検認に期間や期限ってあるの?
具体的な期限は設けられていないものの、遺言書が発見されたら「遅滞なく」。つまり、すぐに手続きを開始します。
検認の申立をしてから実際の検認まで、およそ1~2か月ほどの時間がかかります。
遺言書の検認しないとどうなる?
遺言者名義の不動産や預貯金などに手を付けることができません。とくに金融機関は検認調書や検認済み証明書の提出を求めますから、できるだけ早めに手続きすることをオススメします。
遺言書の検認を欠席するとどうなる?
相続人は出欠の選択は自由です。内容は後から調べることも可能です。申立人は出席が必要です。欠席すると検認は行われません。
遺言書の検認を代理人に頼める?
申立の手続きは弁護士や司法書士に頼めますが、検認は申立人の出席が不可欠です。ただし、同席は弁護士に依頼することができます。
遺言書の検認の大まかな費用を教えて
遺言書1通につき800円(収入印紙)、遺言執行のための検認済証明書の発行申請が1通につき150円(収入印紙)です。ほか、連絡用の切手代も必要です。
これらの手続きを弁護士や司法書士に依頼すると、5~20万円が相場です。