今年4月に一部施行された「働き方改革関連法」。その目的の一つが「長時間労働の是正と多様で柔軟な働き方の実現」であるが、実際に日本人の「長時間労働」は是正され、自由な時間を謳歌できるようになったのだろうか?
そこで今回、日本のビジネスパーソンと海外のビジネスパーソンを対象にした働き方やプライベートの過ごし方に関する比較調査の結果を紹介していく。
なお比較対象国は、週52時間労働を上限とするなどの改革が行われている「韓国」と、以前から労働時間法などの法規制があり、労働時間の抑制がなされてきた「ドイツ」の2カ国となっている。
日本のビジネスパーソンの労働時間は9.2時間、睡眠時間は6.4時間
日韓独のビジネスパーソンは仕事のある典型的な平日を、どのような時間配分で過ごしているのだろうか。
特徴的だったのは「仕事」と「睡眠」にかける時間。「仕事」にかける時間は、日本が9.2時間と3カ国のうちで最も長く、韓国は8.8時間、ドイツは8.2時間。一方、「睡眠」の時間は、ドイツが最も長く7.1時間、韓国は6.9時間、日本は6.4時間。日本は労働時間が最も長く睡眠時間が最も短い、ドイツは労働時間が最も短く睡眠時間は最も長い、ということがわかった。
働き方について、かつてから法規制があったドイツや、改革が進む韓国に比べ、現状の日本はまだ労働時間が長く、睡眠時間も短い状況にあるようだ。
プライベートな時間が増えたらしたいこと、日本は「休息・睡眠」が7割で最多。韓国・ドイツよりも多数
日韓独のビジネスパーソンは今後、もし労働時間が減ってプライベートの時間が創出されたら、その時間に何をしたいと考えているのだろうか。
日本は、「休息・睡眠」を挙げる人が最多で69%だった。他の2カ国よりも多く、“まずは休みたい”という声が多いようだ。
一方で、様々な活動ニーズも。3~4割の人が挙げたものとして、「家族と過ごす」「友人・恋人と過ごす」、「運動・スポーツ」、「家での娯楽」「外での娯楽」、「勉強・スキルアップ」など。
また、労働時間が減るにも関わらず、「副業」と回答した人が36%いて、韓国も32%と似た傾向。ドイツは20%で日本と韓国に比べて低くなっている。