ブログよりも更新が手軽なInstagramという発信場所の存在もあり、「自炊が得意」な人を発見しやすくなった。Instagramで華麗な手料理を披露している男性2名に、自炊をはじめたきっかけや自炊を楽しむコツ、力作メニューベスト3を聞いた。
20代サラリーマンの一人暮らしで始めた自炊のすごすぎる腕
社会人6年目のまだ若きサラリーマン、Hiro.S.cooking(@gami2416)さんのInstagram上には、まるで上級レストラン情報誌のように綺麗にスライスされたローストビーフに見栄えよく盛り付けられたパスタ、刺身やムニエルなどのメニュー写真が並ぶ。
驚いたことに調理職経験はないという。
「2015年2月末、転勤がきっかけで一人暮らしになったことを機に料理をはじめした。それまでは恥ずかしながら、包丁もろくに握ったことがありませんでした。はじめはコンビニ弁当や牛丼チェーンにお世話になっていたのですが、食べられるものにどうしても限りがあり、少し飽きが来たときに仕方なく自分で料理をしはじめました。ですから料理歴は4年と少しになります」
親も含め、料理を習った経験はなく、料理本やネットレシピ、Instagramでの情報交換、外食時に食べておいしかった料理を参考にするなどしているという。
●料理にハマったきっかけ
「はじめる前は料理ぐらいできるだろうと思っていたのですが、しばらく自炊をするうちに、それは大きな誤りだと気がつきました。正直、全然上手く作れませんでした。卵焼きをつくろうとしたら卵そぼろになり、チキンソテーを焼こうとしたら外は焦げて中は生のまま。できないと悔しいもので、次第に料理にハマっていきました。今となっては大切な趣味の一つであり、日々の暮らしの楽しみとなっています。私は料理をする時間を楽しんでいます。料理は楽しむことが一番だと思います」
●メニューの決め方
「その日の気分で決めています。私は性格的に『作り置き』や『冷凍保存』が向かないようで、基本はその日食べたいなと思ったものを作るため、当日スーパーに行って食材を購入します。基本的な献立の組み立て方は、主菜を決めてから、それに合う副菜を決めています」
●自炊を楽しむコツ
1.料理を美味しくする「コツ」と「技術」を習得すれば楽しい
「特別な手間や時間をかけずとも美味しくつくれる料理はたくさんあります。料理を美味しくするのは、特別な手間や時間ではなく、『コツ』とそれを実現する『技術』だと思っています。技術に関しては経験も必要ですが、『コツ』は知っているか、知らないかだけです。『コツ』を理解すると料理はぐっと楽しくなります。後ほどご紹介するチキンソテーはその最たる例だと思っています」
2.女性とのコミュニケーションツールとして活用する
「女性の多くは料理をしていますので、職場において、働く女性とのコミュニケーションツールとして料理は非常に有効だと思っています。料理をしているとそれだけで一つ話題が増えます。ビジネススキルとしての料理の重要性が高まっているのではと感じます。
また奥さんや彼女が作ってくれた手料理を褒めるとき、的外れな褒め方をしなくなります。例えば、大根と手羽元の煮物が出てきて、『手羽元美味しいね』と褒めたとします。作ってくれた奥様や彼女は、恐らく本当は『煮物の大根が味染みていて美味しいね』と褒めて欲しかったはずです。味が染みた大根をつくるには、通常は下ゆでが必要ですし、また味をしみこませるには、コトコト煮込んだ後、一度冷ましてから、食べるときに再度火を入れ直したりと、手間も時間もかかります。的確に奥様や彼女の手料理を褒めることができます」
3.外食をもっと楽しむために自炊する
「自炊をしていると、レストランなどで食事をするとき、その料理がどのようにして作られているのか、どのぐらいの手間がかかっているのか、少しずつ分かってきます。それまで美味しいなと何気なく食べていたメニューが、それがどうやって作られているか想像できると、より美味しく、違った視点で楽しめます。私は自炊をはじめてから外食がより楽しくなりました」