お気に入りのアーティストのレコードや、大迫力の映画を自宅で楽しむ際、「音」で臨場感をいっそう高めてくれるスピーカー。
その中でも本棚の中に置けるくらいの小型サイズのスピーカーを「ブックシェルフスピーカー」と呼び、小さいながら高質なサウンドを再生できると人気があります。
今回は、そんなブックシェルフスピーカーを初めて買おうかと検討している人に向けて、ブックシェルフスピーカーの使い方などを紹介していきます。
【参照】往年の名機をモチーフに最新の音響設計を取り入れたブックシェルフ型スピーカーJBL「L100 Classic」
ブックシェルフスピーカーとは? 大きさは小型~中型
ブックシェルフスピーカーとは、ブックシェルフ型スピーカーとも呼ばれています。
その名の通り、本棚などのに置けるスピーカーを意味しすが、明確な定義はありません。だいたい高さ40㎝前後、幅20㎝前後と小型~中型スピーカーがブックシェルフスピーカーといわれています。中には非常に小型の物もあります。
ブックシェルフスピーカーは低音もよく聴こえる?
設置しやすく、手ごろな価格で手に入るブックシェルフスピーカーですが、低音域の再生能力は優れているのでしょうか。
実はスピーカーは大きければ大きいほど、低音域の再生能力が優れている傾向がありますので、小型のブックシェルフスピーカーは、比較的低音域の再生を不得手とされるようです。
しかし、小型でも高い技術で低音を充実させたブックシェルフスピーカーもありますので、一概に苦手というわけではありません。
ブックシェルフスピーカーの置き方は? 横置きしても大丈夫?
【参照】Amazon サンワダイレクト 400-SP068 マルチメディアスピーカー
最高の状態で音を楽しみたいのなら、ブックシェルフスピーカーの置き方にも配慮した方が良いでしょう。
製品によって多少の差異はありますが、下記の状態でブックシェルフスピーカーを設置すると、比較的良い環境で音を聴けるといわれています。
・ブックシェルフスピーカーの後ろは窓より壁が望ましい。
→背後がガラス窓だとノイズが発生することがあります。どうしても背後がガラス窓になってしまう場合は、カーテンなどを引くと良いでしょう。また周りの壁などに密着させ過ぎると、良い音が出ない可能性があります。
・台の上に置く。
→床に直置きするより、安定性の高い台の上に置いた方が良いとされています。また、絨毯や布など柔らかいものの上より、硬いものの上に置いた方が良質な音が楽しめます。
・鑑賞者の耳と同じ高さに置く。
→ブックシェルフスピーカーから高音が出る部分を、ツイーターといいます。このツイーターと耳の位置が、ほぼ同じくらいの高さになると、高音をしっかり感じられることが多いです。
・ブックシェルフスピーカーと鑑賞者で二等辺三角形を作る。
→左右のブックシェルフスピーカー同士の距離は、100㎝~120㎝くらい。その直線距離から、約2m離れた位置での鑑賞が望ましいとされています。
□=スピーカー
〇=鑑賞者
黒枠=壁
またブックシェルフスピーカーは横置きしても大丈夫ですが、やはり縦置きの場合と若干、音質に差が出るようです。いずれにせよ、メーカーが推奨している方法での設置が望ましいでしょう。
壁掛け型のブックシェルフスピーカーはある?
「ブックシェルフスピーカーに明確な定義はない」と、前述しましたが、前提として据え置きがブックシェルフスピーカーの主目的ですから、壁に掛けるタイプのスピーカーは本来、ブックシェルフスピーカーではないかもしれません。
しかし壁に専用の金具などを設置して、そこにブックシェルフスピーカーを置くことも可能です。その場合、壁に穴を開けることになりますし、金具の耐重量よりもブックシェルフスピーカーの重さが勝ってしまう可能性もありますので、壁にブックシェルフスピーカーを設置する場合は、慎重に行いましょう。
ブックシェルフスピーカーのスタンドとは?
【参考】Amazon ハヤミ工産 NX-B300 小型スピーカースタンド
前述した通り、ブックシェルフスピーカーは床に直置きするより、台などの上に乗せ、床から離した方が、良質な音を鳴らす傾向があります。サイドボードや本棚の上に置いても良いですが、ツイーターの位置と鑑賞者の耳の位置がほぼ同じにならないようでしたら、丁度良い高さのスピーカースタンドを購入して利用するのも一つの手です。
見栄えもスタンドを利用した方がおしゃれ……かもしれません。
大型のブックシェルフスピーカーはある?
ブックシェルフスピーカーは、基本的に小型~中型のスピーカーを指しますので、大型のものはブックシェルフスピーカーと呼ぶことは少ないようです。
大型で床に直置きするタイプのスピーカーは、フロア型スピーカーといいます。
また細長く、背の高いスピーカーをトールボーイ型スピーカーといいます。
「ハイレゾ」ってよく聞くけど何?
スピーカーなどを選別する際によく聞く「ハイレゾ」という言葉の意味をご存知でしょうか?
ハイレゾとは「ハイレゾリューションオーディオ」の略称です。
一般社団法人電子情報技術産業協会によると、ハイレゾとは、「CDの音質を超える全てのデジタルオーディオ」のことを指します。
【参照】一般社団法人電子情報技術産業協会 ハイレゾオーディオの呼称について(周知)
【参照】ハイレゾ音源が抜群の高音質になる小型スピーカーの選び方
ブックシェルフスピーカーのおすすめの選び方は?
ブックシェルフスピーカーを購入する際に、知っておきたいことの一つに、音が排出される位置があります。というのもブックシェルフスピーカーの中には、背面から音が排出されるタイプもあり、このタイプの場合、すぐ後ろが壁だと反射して、良い音が聴けない可能性があるのです。
ですから購入の際には、音がどこから出るのか、把握しておくことをおすすめします。自宅の音楽鑑賞の環境によって、最適のブックシェルフスピーカーを選びましょう。
Amazonで2万円以下で購入できるJBLの「STAGE A130 ブックシェルフ型スピーカー」
【参照】Amazon JBL STAGE A130 ブックシェルフ型スピーカー
音響機器メーカーで有名なJBLのブックシェルフスピーカーです。
大きさは幅190㎜、奥行245㎜、高さ321㎜。重量は5.5㎏です。
低音が背面から出る「背面バスレフ」ですので、設置位置を壁に近づけ過ぎないよう、注意してください。
【参照】高い音響性能を実現したファニチャーライクなJBLのスピーカーシステム「スタジオ6シリーズ」
中古のブックシェルフスピーカーはある?
ブックシェルフスピーカーは他のスピーカーと同様に、中古品も販売されています。ネット通販などでも購入できますが、中古品を購入する場合は、直接動作環境や音質などを確かめられる、オーディオ店などでの購入をおすすめします。
またこれらは新品購入時でも同じことがいえます。
価格10万円以上のブックシェルフスピーカーはある?
【参照】Amazon Dynaudio ブックシェルフスピーカー
小型で、お手頃な価格で購入できるブックシェルフスピーカーですが、10万円を超えるものもあります。中には100万円前後のブックシェルフスピーカーも発売されています。
はじめから高価なブックシェルフスピーカーを購入するのではなく、最初はお手頃な価格のブックシェルフスピーカーを購入し、ある程度スピーカーに対する知識や使い方を把握してから、高価なものを購入した方が良いかもしれません。
また、決して安い買い物ではないので、検討する際には、オーディオ店の店員さんなどとしっかり相談してから購入するようにしましょう。
【参照】パイオニアのハイエンドオーディオブランドTADから130万円の小型ブックシェルフスピーカー『Micro Evolution One』が登場
文/高沢タケル