アクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違えて、大事故になるケースが増えている。
その防止に期待されているのが「ペダル踏み間違い加速抑制システム」(誤発進抑制機能)だ。
新車時に取り付けられる場合も増えているが、少し前のクルマだと純正品で取り付けられていない場合も多い。
しかし、後付けで取り付けられる「ペダル踏み間違い加速抑制システム」があるのだ。
ここでは、装置の説明と各社の対応についてご紹介してく。
ペダル踏み間違い加速抑制システムとは?
ペダル踏み間違い加速抑制システムとは、ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを強く踏み込んでしまった時、加速を抑えたり、警告を発することで、衝突被害の軽減を支援するもの。
最近の新車購入時に装着されていないクルマでは、後付けで装着する必要がある。
国土交通省の調査では、ペダル踏み間違い時加速抑システムの新車への装着率は、2017年では65.2%を超えている。
しかし、ペダル踏み間違い時加速抑システムが装着されていないクルマもまだまだ多い。
そこで、後付けできるペダル踏み間違い時加速抑制システムが注目されている。
【参考】国土交通省報道発表資料
オートバックスの後付けできるペダル踏み間違い加速抑制システム「ペダルの見張り番」
そんな中、オートバックスの「ペダルの見張り番」が大人気で、品薄状態になっている。
【参考】【開発秘話】年間販売目標を5日で達成したオートバックスの急発進防止装置『ペダルの見張り番』
「ペダルの見張り番」は、発進時などにペダルを踏み間違えてアクセルを強く踏み込んでも、急発進しないように抑制する装置だ。
また、後退する時も踏み間違えによる急発進を抑制する。
トヨタ、レクサス、日産、ホンダ、マツダ、三菱、スバル、ダイハツ、スズキと国産メーカーの幅広い車種に対応し、販売と取り付けは全国のオートバックス/スーパーオートバックス店舗で行われる。
オートバックスの「ペダルの見張り番」は本体と取り付け工賃込みで3万2399円(消費税込み)となっている。
「ペダルの見張り番2」も注目
「ペダルの見張り番2」はアクセル信号を常にモニターし、停車時または10km/h以下での前進・後退時にアクセルペダルが急激に踏み込まれると、アクセル信号をキャンセルして急発進を防止する装置だ。
オートバックスの「ペダルの見張り番2」は本体と取り付け工賃込みで4万円前後となっている。
【参考】発進防止装置 ペダルの見張り番2
ホンダの後付けできるペダル踏み間違い加速抑制システム
ホンダにはまだ、後付けできるペダル踏み間違い加速抑制システムは販売されていない。しかし、開発に取り組んでいることを2019年6月19日に発表した。
トヨタの後付けできるペダル踏み間違い加速抑制システム
トヨタは、後付けできるペダル踏み間違い加速抑制システムを、2018年12月5日より発売した。
同社はこの装置を「踏み間違い加速抑制システム」と呼んでおり、本体、付属部品などを含めて5万5080円(消費税込み)となる。
ここでは具体例としてトヨタのプリウス用の後付け「踏み間違い加速抑制システム」を見ていこう。
車両前後に超音波センサーが、トヨタのディーラーなどで設置される。
車両にはコントローラーが配置され、表示器は運転席から見える場所に取り付けられる。
前後バンパーに取り付けた超音波センサーは、前方か後方約3m以内にある壁などの障害物を検知することができ、その際はブザー音とランプ表示で注意喚起する。
にも関わらずブレーキと間違えてアクセルを強く踏み込んだ場合は、加速を抑えるように制御される。
また、後退時は、障害物を検知していない場合も約5km/h以上でアクセルを踏むと、速度が出過ぎないよう加速を抑える仕組みになっている。
加速の抑制は行うが、自動停止機能ではないので、必ずドライバーがブレーキペダルを踏み停止する必要がある。
踏み間違い加速抑制システムを装着できるトヨタ車は、ご紹介のプリウスのほかに、アクア、ポルテ、など12種(約458万台相当)になる。
【参考】TOYOTA、後付けの踏み間違い加速抑制システム 対象車種拡大
取り付け工賃は仙台トヨペットの例でご紹介したい。
平成25年式のプリウスSに踏み間違い加速抑制システムを取り付ける場合、同社は総額8万5558円としている。
ここから本体・付属品の価格を引くと、取り付け工賃は3万478円となる。
【参考】仙台トヨペット