住宅ローンの審査期間はどれくらい？融資実行までの目安と金融機関による違い

住宅は「人生で一番大きな買い物」と言われる。

1000万円単位ものお金が必要になるだけに現金ですべてを用意するのは難しく、多くの人が「住宅ローン」を利用するだろう。

しかし、申し込んだのはいいけれど、その可否を決める「審査」には、いったい何日くらいかかるのだろうか？　審査に落ちた場合は、別の手立てを考える必要があるだけに、期間の目安だけでもわかればありがたい。

この記事では、そんな気になる住宅ローンの「審査期間」について解説する。

住宅ローンの平均的な審査期間ってどれくらい？

住宅ローンの平均的な審査期間はおおよそ、事前審査が2～3日、本審査は1～2週間が目安となっている。とはいえ、金融機関による審査期間のばらつきのほうが大きいので、この数字はあくまで参考程度にとらえてほしい。

住宅ローンの審査期間が長い金融機関はろうきん、JAバンクなど利用者が限られるケースが多い

ろうきんやJAバンクのように、利用者が特定されている金融機関は審査期間をやや長めに取る傾向があるようだ。

住宅ローンの審査期間が短い金融機関はネット銀行が多め

ネット銀行のような広く全国に顧客がいる金融機関は、スピード審査を売りにしているところも多い。少しでも早く審査結果を知りたいなら、ソニー銀行や楽天銀行などがおすすめだ。

住宅ローンの本審査が短期間で否決されたら必要書類の不備を疑おう

住宅ローンの本審査があまりに短い日数で否決された場合は、申告書類などに問題があることが想定される。

例えば、本審査で信用情報を調査したら、事前審査で申告されていなかった返済中のローンが記載されていたといったように、事前審査の書類と本審査の書類に食い違いがあるといったケースだ。

この場合は、即日で否決される可能性もある

住宅ローンの審査期間中に避けること

事前審査は無事通過していて、後は本審査の結果を待つのみといった場合、申請者側にできることは特にない。ただし、以下の注意点を2つほど挙げておく。

1．新たなローンを組む、新規にクレジットカードを作成する
2．クレジットカードや携帯電話料金、返済中の別ローンの支払いなどを延滞する

こういった行為をすると、事前審査を通過した時点よりも本審査の信用情報の内容が悪くなる。本審査に落ちる可能性が高まるだけなので、絶対にやらないようにしたい。

住宅ローン審査期間は銀行によってどれくらい違う？

前述したとおり、金融機関によって審査期間に差は少なからずある。ここからは、いくつかの銀行について、具体的にどれくらいの審査期間がかかるのかを見ていきたい。

公式に審査期間が明らかにされていない銀行は、編集部が独自に調査したものを記載している。ただし、実際の審査期間は審査を申し込んだ個人ごとに異なるので、必ずしもその通りにならない場合もある。

住宅ローンの審査期間【足利銀行】

まず栃木県宇都宮市の地方銀行、足利銀行の審査期間を見てみよう。こちらの事前審査には3～5日、本審査の期間は明示されていないが、仮審査の申込から借り入れまでの期間は、2～3週間とされている。

【参考】住宅ローン「暮らし上手」お借り入れまでの流れ（足利銀行HP）

住宅ローンの審査期間【三井住友信託銀行】

三井住友信託銀行は、仮審査と本審査の個別期間を明示しておらず、審査申し込みから借り入れまでに1カ月から1カ月半程度かかる。やや審査期間は長めのようだ。

【参考】お手続きの流れ（三井住友信託銀行HP）

住宅ローンの審査期間【みずほ銀行】

みずほ銀行は、事前審査に「AI事前診断」を利用し、最短1分で診断結果がわかる。本審査は必要な書類をすべて提出してから1週間～10日程度を目安としている。

ただし、上記はネット住宅ローンの情報なので、店頭で申し込む場合は違ってくる可能性がある。

【参考】ネット住宅ローン（新規）のお手続きの流れ（みずほ銀行HP）

住宅ローンの審査期間【SBI新生銀行】

新生銀行の住宅ローンは、新規借入と借り換え・リフォームで事前審査の有無が異なる。事前審査は5営業日前後。また、申込から借入までは最短1ヶ月程度となる。

【参考】住宅ローン お借り入れ・お借り入れまでの流れ（SBI新生銀行HP）

住宅ローンの審査期間【auじぶん銀行】

ネット銀行の住宅ローンの中でも人気の高いauじぶん銀行は、仮審査に1～3営業日、本審査は必要書類をすべて提出してから3～10営業日を目安としている。

【参考】住宅ローン | auじぶん銀行

住宅ローンの審査期間【楽天銀行】

楽天銀行は、事前審査に即日～1週間程度かかる。本審査の期間は約1～2週間程度だ。

【参考】お手続きの流れ（住宅購入・建築）（楽天銀行HP）

住宅ローンの審査期間【イオン銀行】

イオン銀行は、事前審査に最短即日または翌日、本審査は必要書類がすべて到着してから1週間程度となっている。

【参考】住宅ローンのお手続きの流れ・必要書類（イオン銀行）

その他の金融機関の審査期間はどうなってるの？

ここからは、上に挙げた銀行以外の金融機関の審査期間について見ていこう。

住宅ローンの審査期間【ろうきん】

ろうきんは、労働組合の組合員、生協の組合員などの人が利用できる金融機関だ。ただし、各ろうきんの営業エリアの範囲内で働いているか、エリア内に居住している人であれば、それ以外の人も利用できる。

全国には13のろうきんがあり、それぞれ審査期間が異なる。基本的に事前審査は1週間程度だが、本審査には1ヶ月以上かかることもある。審査期間は、やや長めといえるだろう。

【参考】住宅ローンWeb仮審査申込（ろうきん 中央労働金庫HP）

住宅ローンの審査期間【フラット35】

フラット35は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供される住宅ローンだ。

申し込みは民間金融機関を通じて行われるため、審査期間はその金融機関によって異なる。目安としては、事前審査は当日～2，3日程度、本審査は1～2週間程度だ。

【参考】【フラット35】融資手続・必要書類（住宅金融支援機構HP）

住宅ローンの審査期間【JAバンク】

JAバンクは、JAバンク会員（JA（農協）、信連、農林中金）で構成されるグループの総称だ。一定の制限はあるが、農業従事者でなくても利用することができる。

JAバンクの住宅ローンは、各JAによって融資条件などが異なっている。そのため、審査期間を一概に論じることはできないが、強いて言えば、一般の銀行と大きな違いはないか、多少長めといった程度だ。

具体的には、事前審査に数日～1週間、本審査に2～3週間といった場合が多いようである。

【参考】住宅ローン（JAバンクHP）

この記事を読んでもらえばわかるように、住宅ローンの審査期間は金融機関によって大きな差がある。大きなお金が動くだけに、金利も含めて慎重に検討してほしい。

※データは2024年5月下旬時点での編集部調べ。
※本記事は借り入れを推奨する目的はありません。あくまで自己責任・自己判断でご利用下さい。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。

取材・文／ねこリセット