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なぜ今になって新モデル?「iPod touch」は本当に必要なのか?

2019.06.17

■連載/石野純也のガチレビュー

 約4年ぶりに、新しいiPod touchが発売された。このモデルは第7世代にあたり、見た目は1世代前のiPod touchとほぼ同じだが、CPUを「A10 Fusion」に置き換えるなど、中身は一新。iPhoneと比べると小ぶりなボディはそのままで、ホームボタンも備える。先に米カリフォルニア州サンノゼで発表された「iOS 13」にも対応する予定だ。

 一方で、このモデルはあくまでメディアプレイヤーのiPodという位置づけ。iPhoneとは異なり、モバイルデータ通信は備えず、Wi-Fiがないと通信はできない。また、価格が安いぶん、iPhoneと比べると、さまざまな機能が省かれている。Touch IDや、Apple Payなどは、その代表例といえるだろう。

 では、iPhoneや他のスマホがある中、iPod touchはどのようなシーンにフィットするのか。実機を使って、その可能性を検証した。

約4年ぶりに登場した、第7世代のiPod touch

iPhoneのようで、iPhoneにはない、薄くて軽くてコンパクトなデザイン

 iPod touchは、iPodという名こそついているものの、どちらかというと、形状などはiPhoneに近い製品だ。歴史をひも解くと、iPhoneはiPodから派生して生まれたスマホだが、iPod touchは逆に、iPhoneの操作性やデザイン性を受け継いだ端末になる。第7世代のiPod touchは、ディスプレイが4インチ。横幅は58.6mmで、サイズ感としてはiPhone SEなどに近い。現行モデルのiPhoneに慣れた人が手に取ると、どこか懐かしさとともに、その小ささに驚きを感じるはずだ。

最新のiPhoneのサイズに慣れていると、非常にコンパクトだと感じる

 もちろん、iPhoneとの違いもある。1つが、その薄さだ。ディスプレイが同サイズのiPhone SEが7.6mmなのに対し、第7世代のiPod touchはわずか6.1mm。1.5mmの差は絶対値で見るとわずかな違いに思えてしまうが、割合に直すと約2割ほど薄くなっていることになる。手に取ってみるとその違いが、よく分かるはずだ。ポケットに入れたときにも膨らみが少なく、持ち運びやすいといえる。

6.1mmと薄く、ポケットにすっきり収まる

 もう1つのiPhoneに対するアドバンテージは、軽さにある。iPod touchの重量は先代の第6世代と変わらず88g。スマホを持ったときのようなズッシリとした感覚がなく、長時間握っていていることができる。薄手の生地を使ったパンツやジャケットのポケットに入れても、重みで引っ張られるようなことが少ないのもうれしいポイントといえるだろう。

 一方で、その薄さと金属を使った背面の滑らかな質感が相まって、しっかり握っていないと手からこぼれ落ちてしまいそうになることもあった。iPhoneに比べると価格が安いため、故障時の金銭的な負担は少ないが、大事に使いたいのであればケースはつけた方がいいだろう。純正ケースは存在しないが、第6世代と外寸が共通しているため、約4年の間に発売されてきたアクセサリーを使いまわせる。サードパーティ製の選択肢が十分そろっているのは、評価できるポイントだ。

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