3大キャリア(docomo/au/ソフトバンク)に対抗して、格安SIMを提供するMVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)が増えている。総務省の通信料金見直しの意向もあり、通信事業者間の価格競争は今後も激しさを増していくだろう。
そんな中、安いキャリアを選ぼうとする際にジャマになるのがSIMロックだ。この事情はスマホのみならず、キャリアで購入したタブレットでも同じこと。この記事では、iPadの「SIMロック解除」について解説していく。
確認方法は簡単! まずSIMロック解除できるiPadかを確認
各キャリアのホームページには、SIMロック解除に対応できるiPadのモデルが記載されている。基本的には2015年5月以降に発売されたiPadで、具体的なモデルは以下のようになっている。ただし、キャリアによって、若干の違いがあるので、詳細は必ずホームページを確認して欲しい。
■12.9インチiPad Pro(第1~3世代)
■11インチiPad Pro
■10.5インチiPad Pro
■9.7インチiPad Pro
■iPad(第5〜6世代)
■iPad mini 4
iPadのSIMロック解除は自分でできる?
SIMロック解除の方法は大きく2つ。キャリアの公式ショップに持ち込むか、ホームページから解除を申請するかだ。ホームページからの解除申請については自分で必要事項を記入して行うが、10分もあればできる簡単なモノ。公式ショップに持ち込むと手数料がかかってしまうので、前者がおすすめだ。
ほかにも「ファクトリーアンロック」と呼ばれる、非公式なSIMロック解除の方法もある。これはキャリアとは別の事業者が行っており、費用が高かったり解除できなかったりする場合もあるのでおすすめしない。
【参考】SIMロック解除の正しいやり方|手続き方法、条件、料金を解説!
ソフトバンクでのiPadのSIMロック解除
ここからは、具体的なSIMロック解除の方法について説明していく。ソフトバンクはSoftbankショップに持ち込む方法と、My Softbank(ホームページ)から自分で行う方法の2つがある。
ソフトバンクでSIMロック解除ができる条件を確認
ソフトバンクでのSIMロック解除の条件は以下のようになっている。
■手続きをする主体が、契約者本人であること
■対象機種がSIMロック解除機能を搭載していること
■端末の分割払いを利用している場合、購入日から101日経過していること
■ネットワーク利用制限がかかっていないこと(代金未払、盗難品等)
なお、Softbankショップに持ち込んだ場合、ショップの店員がすべて手続きをしてくれる代わりに、手数料が3000円かかる。
ソフトバンクとの契約解約後もSIMロック解除はできる?
ソフトバンクとの契約を解除したあとも、ソフトバンクで購入した端末であればSIMロック解除は可能だ。その場合、SoftbankショップでのみSIMロック解除が可能。解約後90日以内が条件で、手数料が3000円かかる。
auやdocomoで買ったiPadのSIMロック解除は?
続いて、auとdocomoのSIMロック解除方法を見ていこう。
こちらも簡単!auで購入したiPadのSIMロック解除
auで購入したiPadのSIMロック解除も、ソフトバンクと同じく難しいことはない。
auでSIMロック解除ができるiPadの条件を確認
auで購入したiPadのSIMロック解除条件は以下の通り。
■2015年4月23日以降に発売されたSIMロック解除機能対応の機種
■契約者本人の購入履歴が確認できること
■ネットワーク利用制限がないこと
■購入から101日以上経過していること
auの場合も方法は2種類! iPadのSIMロック解除
au の場合もショップに持ち込む方法と、auマイページ(ホームページ)から手続きする方法の2種類がある。こちらも店舗に持ち込んだ場合は3000円(税抜き)の手数料がかかる。
auとの解約後、iPadのSIMロック解除はできる?
auとの回線契約を解約している場合は、解約から100日以内でショップのみの対応となる。
中古のau iPadはどうなる? SIMロック解除はできるの?
「契約者本人ではない」、「回線契約がない」、「(おそらく)解約後101日以上経過している」など、公式のショップに持ち込める条件を満たしている可能性は低い。中古の場合は、前述したファクトリーアンロックの業者に持ち込むか、SIM解除アダプタと呼ばれる機器を使うかしかない。
【参考】1位はSIMフリーのiPhone 7!中古スマホの人気ランキング
中古のau iPadでSIMロック解除ができない場合は?
中古のau iPadをSIMフリーにできなくても、MVNOを使う方法はある。ただし若干の条件がつく。
SIMロック解除をせずにau iPadをMVNOで使う条件とは?
結論から先に言えば、auの回線を使うMVNOを選べば良い。SIMロックは同じ通信回線でしか端末を使えないようにする制限なので、契約する企業が変わっても同じ通信回線を使うなら問題ない。
docomoから購入したiPadのSIMロック解除は?
ここまでソフトバンク、auとSIMロック解除の方法を紹介してきたが、docomoから購入したiPadも基本的な方法は変わらない。ただし中古の扱いが他社と違っている。
■2015年5月以降に発売されたiPadであること
■端末の分割払いを利用している場合、購入日から100日経過していること
■ネットワーク利用制限がかかっていないこと
■回線契約を解約している場合は、解約から100日以内
※中古品の取り扱い(対象は以下に相当する端末)
■友人、知人などから譲られた機種
■中古品販売店などで購入した中古品
上記の端末については、ショップでもホームページからでもSIMロック解除が行える。ただし、ホームページからの手続きには「dアカウント」が必要となり、ドコモショップでの手続きには3000円の事務手数料と、1回の受付で2台までという条件がつく。
最初からSIMフリーのiPadを買う!
ここまでキャリアで購入したiPadのSIMロック解除について紹介してきたが、最初からSIMフリーのiPadを買ってしまう方法もある。通信料金を抑えたいとか、2年縛りのような制限を嫌うなら選択肢の一つだ。
SIMフリーiPadはどこで購入できる?
Apple(アップル)の公式サイトや、渋谷などにあるアップルストアで購入できるiPadは、すべてSIMフリーだ。SIMの規格さえ間違えなければ、基本的にはMVNOのSIMをそのまま使える。動作確認の情報は、各MVNOのページに掲載されているので、事前に確認しておこう。
SIMフリーiPadの価格は高いの?
即時にSIMロック解除が可能な「キャリア一括購入」は、各種割引が適用されるので、アップルの公式サイトで購入するよりも割安になる。ただし、回線契約に2年の縛りが発生したり、月々の契約料が高かったりなど、単純に端末価格だけでは比較できない。
SIMフリー版iPadの中古はどうか?
キャリアで販売されたiPadに比べて、SIMフリー版のiPadは価格が高い傾向にある。この価格差は「安全に他社のSIMは使えるか否か?」という意味と考えれば良い。キャリア版iPadでも、SIMロック解除が行われているものであれば、値段はほとんど変わらない。