新社会人や、入社2~3年の若手社員を部下に持っていると、社会人として常識だと思っていることを知らないのでは?と感じることはないだろうか。上司としてあえて部下に教えなければならないこともあるということ。しかし若手社員らは、どんな常識を知らないのかすら、見当がつかないこともある。
そこで今回は、ゆとり世代に向けたマナー本「今さら聞けない社会人としての常識とマナーQ&A」の著者である岡澤ひとみさんに、ゆとり世代に教えておくべき常識やマナーを聞いた。
ゆとり世代はこの常識を知らない?上司からの教え方
岡澤さんは、こんなケースを経験したことがあるという。それぞれ上司からの教え方も合わせて教えてもらった。
●電車遅延による遅刻連絡をLINEやメールで済ませる
ある若手社員は、朝、電車遅延で出社を遅刻しそうになった際、上司へLINEを使い「電車遅延で遅れます」というメッセージの連絡で済ませたという。
「会社への遅刻や欠勤等の連絡は、原則電話で行うのが一般常識ですが、LINEや会社のシステムなどでの連絡が会社のルールとなっているわけではないのに、平気でLINEやメールなどの連絡で済ませる方がいます。とは言っても電車内で閉じ込められている状態では電話ができないことから、その場合はLINEやメールの取り急ぎの連絡を許可するなどして、電車を降りたら電話するよう伝えたほうが良いでしょう」
●上司が若手社員の席まできたのに仕事の手を止めない
ある若手社員は、着席している自分の席まで上司がやってきて仕事の依頼をしようとしているのにも関わらず、自分のやっている仕事を続けながら、パソコンから目を離さずに「はい」と返事をした。
「上司が自分の席にやってきた場合、どのような場合であっても必ず椅子から立ち上がるのが職場の一般常識です。目上の方の話を、目下の人間が座ったままで聞くのは失礼な態度です。これができていない若手社員の方は多いようです。
知らない方もいるので、上司がそばに来たら、仕事をしている場合でも一旦手を止め、上司のほうを向いて体全体をそちらに向ける。上司が立っている場合は自分も立つ、という基本を教えてあげましょう」
●報告を後回しにする
ある若手社員の中には、上司から頼まれた仕事ができあがっても、自分からアピールするのは苦手なので、上司から聞かれてから『できてますよ』と答えたり、意外と早くできてしまったので翌日になってから『やっておきましたよ』と言って渡した。
「正解は、仕事が早くできたなら、できた時点ですぐに『先ほどの仕事ができましたので、ご確認をお願いいたします』と報告すること。
報告を後回しにするのは、ビジネスで最も大切な資源である『時間』に対して鈍感であるということです。時間も資源であることを伝えてあげましょう。また仕事や報告を後回しにしたり、翌日に報告を引き延ばしたりすることは、評価がまったく正反対になってしまうことも教えてあげましょう」