
フードホール
グローサラント、フードコート、フードホール——あなたはこの3つの違いを言えますか? ちゃんとした定義があるわけではありませんが、グローサラントは、店内で売っている新鮮な肉や魚を調理して、イートインで客に食べさせる大型スーパーマーケット。フードコートは、中央の共通席の周りをたくさんのファストフードが囲んだセルフ・サービス方式の食堂。フードホールは、ひとつの空間の中に手のかかった料理を出す複数の店と客席があり、どの店の前に座っても他の店のメニューが注文できる複合レストランを指す。
フードコートとフードホールの違いがわかりにくいので、そこだけもう少し詳しく説明しておくと、アメリカ生まれの、庶民的で酒を出さないファストフードの集合体をフードコート、ヨーロッパ生まれでそこそこ高級で酒を出すちゃんとしたバールやレストランの集合体をフードホール、と言います。
そして今回は、日本に続々誕生する大型商業施設(業界では「ヤカタ」と呼ばれています)に必ずと言っていいほど組み込まれているフードホールのお話です。
フードホールは、生まれはヨーロッパですが、爆発的に流行ったのはニューヨーク。ニューヨークの最初のフードホールは、マンハッタン島南部の、昔は食品工場が集まっていたチェルシー地区のナビスコ工場跡に1997年に誕生した『チェルシー・マーケット』と言われています。連続した屋内空間にバールやレストランが何軒も連なったこのマーケットは、その華やかな雰囲気から、たちまちニューヨーク屈指の観光スポットに成長。昨年2月には、その向かいにオフィスを持つグーグルに、24億ドルで買収されました。
『フードホール ブラスト!』は、東京の南新宿と、大阪の御堂筋沿いに2月に同時オープンした、カスタム・ピッツァ、タコス、バーベキュー・グリル、カフェ、ロゼワイン・バー、クラフトビア・パブの6店の集合体。コーヒー豆は自家焙煎、ピッツァは粉から店内でこねるなど、調理は手をかけています。経営は6店ともK& BROTHERS直営。