■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
体力を奪う暑さから身を守る新テクノロジー
毎年、5月になると日本では夏日を記録する都市が現れる。
今のところ「記録的な猛暑となった2018年に比べ、2019年の夏は落ち着く。むしろエルニーニョ現象で冷夏の可能性もある」と予想されているが、九州地方ではすでに4月中旬に夏日を記録しており、エルニーニョだとしても暑い日は暑い! 高原のキャンプ場であっても、テント内の気温はグングン上がる。
そのためだろうか、近年のトレンドは熱対策ができるテントやタープだ。
布一枚で雨や熱を遮るテントやタープは、厚手であるほど効果が高い。
厚手コットンで通気性を確保できるもの、比較的厚めの化繊に遮光加工を施したものが人気だが、いかんせん重い。
そこで注目を集めているのが、薄手化繊でも遮熱効果が高いテントとタープだ。
コールマンが採用したのは遮熱製生地を用いた「ダークルームテクノロジー」で、試験によると紫外線を99.99%遮断する遮熱製生地とそうではない生地では最大11℃もの差があったそう。
もっとも、テント内の暑さは、生地だけではなくテントのサイズ、ベンチレーターの位置や形などによっても異なる。
コールマンの同等製品のテントとこのダークルームテクノロジーのテントとの比較実験では、最大温度差が13.5℃となったというから頼もしい。実際に気温25℃を超えた日のイベントで、同じ形状のスタンダードなテントとダークルームシリーズのテントに入って比べたところ、明らかに蒸し暑さの度合いが異なっていた。
これはダークルームテクノロジー採用の生地を用いたシェルターにサイドウォールを取り付けた状態。生地の裏面が黒く、全面を閉じれば、周囲の光をほとんど通さない。
夏の朝は5時過ぎから明るくなる。長距離運転やアクティビティで疲れたときは遅くまで寝たくても寝ていられないが、このように光の影響を受けないテントであればゆっくり休めるというわけだ。
写真の2ルームのような大型テントであれば、前室を開放して後部ドアも開け放てばインナーテント内の風通しがよくなり、いっそう涼しく休める。昼寝が必要なベビー連れも安心だ。
インナーテント内には採光用のクリアウインドウが付いており、採光したいときや寒い季節はここから日差しを取り入れて調整できる。
半面、小型のポップアップテントを試した男性は「狭いところや暗いところは苦手。2人用テントでこの暗さはちょっと怖い」と感じたそう。