想像を超えるモンスターバイトの実態
「よし!ストライクだ!」
とある生鮮食品スーパーでの出来事。本社研修から戻った店長が、閉店少し前に店舗へ戻ると、帰り際のアルバイト高校生からこう告げられました。
高校生「バイトの大学生がメロンでボウリングしてますよ。」
店長「・・・は?」
高校生「お疲れさまでした。」
店長が急いで店内に駆けつけると、もう客のいないフロアで、廃棄予定のメロンをボールに見立て、ペットボトルをピンに見立てたボウリング大会が開催されていたのです。
店長「何やっているんだ!君たち!」
大学生A「えーと、、このまま捨ててしまうのももったいないと思いまして!」
店長「そうか限りある資源の有効活用か、、、、って馬鹿野郎!廃棄予定とはいえ商品で遊ぶとは何事だ!そもそもまだ勤務時間中だろうが!」
大学生A「・・すみません。」
店長「まったく・・・まさかSNSにアップしたりしてないよな?」
大学生B「今日スマホ忘れちゃったんですよ~」
店長「それなら良かった、、、いやアップする気満々だったんじゃないか!」
こちらは近年増える「おふざけ型」とも呼べるモンスターアルバイトの例です。
一昔前、自分が学生だった頃にも、こういったことは行われていました。
しかし、インターネット・SNSの普及により、明るみに出やすくなったことで、今までの軽はずみな行動が、笑い話や馬鹿な武勇伝では済まなくなってしまっているのです。
損害賠償や情報漏洩リスクにも
報道でもクローズアップされていますが、主に食品を取り扱う業界を中心に、アルバイト従業員がおふざけ行動をSNSにアップする「不適切動画」による被害があとを絶ちません。
これに対する企業が被るダメージは、企業イメージのダウンに始まり、株価の下落、クレーム対応へのコスト、一部店舗の閉鎖など決して小さくはありません。
何気なく撮影し、投稿された職場内の動画にも、社外秘の資料や掲示物が映り込んでいる可能性は高く、情報漏洩の危険もあります。また自社だけでなく関係企業の情報までさらしてしまうことになれば目も当てられません。ついに複数の大手企業では、このような被害を重くとらえ、加害従業員への法的措置の検討を公に宣言し、厳罰化に舵を切ろうとしています。
ただ、民事訴訟では数千万円から数億円の損害額を試算しているものの、実際に回収できると考えているというよりも、今後起きる同様の被害を抑制するために行動を起こしているというのが実情です。