■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
目の前に海が広がる“オン・ザ・ビーチ”での滞在は、開放感バツグン! ホテルにせよカフェにせよ、一等地と言われるシチュエーションだ。
ところがキャンプ場で言えば、オン・ザ・ビーチが最高かというと少々頭をひねる。というのも、風の影響を受けやすく、テントの固定が大変。また、海水浴客や散歩など人通りが案外多く、テントでは治安の面で少々心配だからだ。
そんな不安を払拭するのが、オン・ザ・ビーチのグランピング施設だろう。
常設テントはがっちりと固定され、室内も広々としているし、利用者以外は入らないようスタッフが目を配らせているのだから。
「グランピング福岡」は、安心してオン・ザ・ビーチの開放感を堪能できるグランピング施設のひとつ。福岡県内で多様な形態のレストランを経営している「ぶどうの樹」グループに属しており、「おいしい・たのしい・うれしい」を提供する宿泊施設だ。九州で話題だと聞き、訪れてみた。
もともと食育体験ファーム「ほっこり農園」のスタッフが「この山を有効活用するために、グランピング施設を作ったらどうだろう」と提案したのがはじまり。計画をしているうちに「グランピングにふさわしいのは山よりも海だ」と考えるに至り、ビーチ沿いの土地を探し、福間海岸の目の前の土地開発に乗り出したそうだ。オープンは2017年。
現在はテントエリア、コテージ、アネックス、キャンピングカー、そして象徴的なスカイドームという5種類の宿泊施設を用意している。
空中テント「スカイドーム」
両側に船のマストのような柱が立てられ、その間につられている空中テントは1日1組限定、定員5名で利用できる。空中に浮かぶテントはほかではなかなか体験できないユニークな施設だ。
テントには船をイメージする丸い窓が付いている。インテリアは、訪れた時が春バージョンだったのでコタツ付き。
真夏のビーチは暑そうに思えるが、スカイドームはデッキの上にテントが建てられているので、下からわずかに風が抜ける。思いのほか涼しい。反対に寒い時期はホットカーペットが用意されており、ぬくぬくと過ごせる。
デッキの下には小さなテントとピンクのクルーザーがある。エアコン完備でスカイドーム利用者はここでの宿泊もOKだ。
レンタルキャンピングカーサイトも併設
今シーズンよりはじまったのが、レンタルキャンピングカーサイトだ。
グランピング施設やキャンプ場では珍しい、キャンピングカーのレンタルとバーベキューピット・食事のセットが用意されるが、もちろん、個人のキャンピングカーで出かけてもいい。
福間駅からタクシーでグランピング福岡にアクセスし、チェックイン後はレンタカーがわりにドライブを楽しむ、なんて使い方ができるのだ。キャンピングカーに興味がある人、キャブコンの使い勝手を確かめたい人に、とくに向いているプランと言える。定員5名。