グリーンの発色も良く超広角の歪みも抑えられている
超広角レンズで気になるのが、歪みと周辺光量が落ちで、四隅が暗くなること。最近のカメラは交換レンズから、補正データを受け取って電子的に補正、JPEGで撮影すれば補正済みのデータが記録される。『Z6』にも周辺光量を補正する4段階のヴィネットコントロールがある。さらに自動ゆがみ補正、回折補正もある。作例撮影では、これらの機能を全てOFFで撮影することが多いが、私は基本、全てONにしてJPEG撮って出しにしている。段階があるばあいは、標準を選択、もしあればオートにしておく。
デジタル補正の威力は絶大で銀塩カメラ時代では24mmでも周辺光量が盛大に落ちて、歪みも出ていたのだが『NIKKOR Z 14-30mm f/4 S』はズーム全域で歪みが補正され、建物が不自然にならない。これによって超広角レンズのクセが抑えられ使いやすくなっている。周辺光量落ちに関して、私はあまり気にならないのだが、本格的に補正するなら、RAWで撮影して純正アプリで補正するのがオススメだ。
広々とした温室の全景。14mmで撮影しているが不自然な歪みはなく四隅までシャープである。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S Nikon Z6 1/180sec、F4、ISO100、14mm
14mmでも絞り開放のF4にすると被写体までの距離によっては背景をボカせる。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S Nikon Z6 1/60sec、F4、ISO100、14mm
最短撮影距離まで寄って24mmで撮影。フワフワとした産毛状の葉の柔らかい質感が出た。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S Nikon Z6 1/250sec、F4、ISO100、24mm
チルト液晶を使ってローアングルから狙った石仏。水準器で水平もチェックしている。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S Nikon Z6 1/180sec、F4.8、ISO100、24mm
露出補正プラス1で明るくした深大寺山門。ややパースが強調されるが14mmとは思えない歪みの少なさである。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S Nikon Z6 1/250sec、F4.8、ISO100、14mm
深大寺窯で焼かれた土産物。30mmで撮影すれば標準レンズなみに歪みは少なくなる。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S Nikon Z6 1/250sec、F4.8、ISO100、30mm
上が『D800』に24-120mm f/4の50mm相当で撮影。下が上の作例。大きさを揃えるため表示倍率を変えてある。色合いは似ており、どちらも高解像度で、歪みも少ない。
写真・文/ゴン川野