空き家再生に本当に必要なものは”仕事”
地方から空き家再生の相談を受けることもあります。しかし、たとえ改装はできても、借り手(移住者)がいないのであれば、空き家再生とは言えません。移住できない大きな理由の一つは仕事がないからです。都心に比べ、地方は仕事が圧倒的に少ない。
そこで、空き家レンジャーの次なる挑戦として、まずは逗子で仕事を生み出すための場づくりをすることにしました。逗子で7年間借り手のいないビルを改装し、仕事をするだけでなく、誰でもバーや教室のチャレンジができるスペース「逗子コワクワクスペース秘密基地〇〇〇」として、昨年から運営しています。逗子産のはちみつを使った料理やお酒を提供する「はちみつバー」や、ディスコ世代がディスコミュージックを流して踊る「踊れバー」など、〇〇〇には自分の得意技が入ることが多いです。
得意技を披露し、興味を持つ人たちが集まる中で、人と人のつながりから仕事が生まれて行くのではないかという実験的な試みをしており、単にスペースを提供することよりも、そこでの出会いに価値があると考えています。実際、主催者も参加者も、年代は幅広く、毎日様々なバーや教室がオープンしており、人がつながり合う場になっています。
空き家を再生できる人を全国に増やしていきたい
逗子には、ビジネスを成功させることよりも、自分らしく生きることを求めている人が多いです。その実現のキーとなるのが、コミュニティかもしません。一人だとできなかったことが、様々な得意技をもった人たちとつながることで、可能性が広がっていく。応援し合えるコミュニティがあれば、まず一歩を踏み出すことも、新しいことを始めることも、お金がなくても、実現できるかもしれません。空き家レンジャーは、コミュニティの力で次々と空き家を再生してきました。これからは、これまで培ったノウハウを全国に広めていきたいと思います。
【取材協力】
加藤太一さん
2016年空き家再生集団「空き家レンジャー」を発足し、空き家をシェアハウス、ものづくり工房、シェアキッチン、コワーキングスペースに再生。300人以上のメンバーとともに全国の空き家再生をに挑んでいる。
コワクワクスペース秘密基地〇〇〇
https://www.facebook.com/zushimarumarumaru/
文/岡のぞみ
フリーライター/PRコンサルタント。営業、留学カウンセラー、広報の仕事を経て会社員10年目に独立。横浜、湘南を拠点に活動。
http://www.tsunagalo.com