さて借りた磁気ネックレスをつけて釣りをしたものの、症状は一向に改善しない。つけたままの帰途、忘れそうだけど忘れずに返さねばと思いつつ、やはり返し忘れた。そこで効果を期待し、次回会う時までつけ続けることにした。するとその翌朝、目覚めると痛みが消えている。慢性痛の左後ろは相変わらずながら、急性痛の真後ろの痛みがとれたのだ。はたして磁気ネックレスの効果なのか、時間の経過で痛みが消えたのか定かではないが、俄然、磁気ネックレスというギアに興味が湧いた。
ネットで調べると、正林さんのギアは「ファイテン」というブランドの「RAKUWAネックX100(チョッパーモデル)」で、税込価格は10152円。あの羽生結弦選手も愛用という、人気アイテムだった。簡単に留まるチタンの留め具部分がV字でクール、健康ギアであるとともにオシャレギアでもある。他にもやはり羽生選手愛用という、留め具部分が球形の「RAKUWAネックX100 ミラーボール」(同 9720円)をはじめ、留め具や紐部分、素材が異なるネックレスが数多くラインアップされている。
先端の留め具部分が、素材感といいV字のデザインといいクールだ。
そんなことを調べているうちに心は購入を決め、正林さんと同じモデルを買おうと思った。痛めた首に効果があったのかもしれないし、いくつかある「X100」製品の中でも、「チョッパーモデル」の留め具部分が、僕的には一番シンプルですっきりしている。
だがトイレの鏡で我が身を見ると、トレーナーの首元にのったV字の留め具が目に付く。ネックレス着用が一目瞭然なのだ。いやこの日のような首回りの狭いトレーナーなら、ウエア下に入れて見えないようにできる。だが暑くなってTシャツ1枚姿では、そうはいかないだろう。
そもそも留め具部分にデザイン性があるのは、アクセサリーとしての用途も考慮されているからだ。ところが僕は、アクセサリーが大の苦手とくる。身につけるのは腕時計のみ、指輪もブレスレットも、もちろんネックレスも気恥ずかしい。40代後半から50代にかけて、『LEON』を読んではあれこれお買い物したが、アクセサリーにだけは手を出さなかった。そんな僕なので、シンプルな「チョッパーモデル」でも、人目に触れると思うと気後れしてしまう。