皮付き豚バラ塊肉で作る、本格カリカリ豚
冒頭、「豚皮がついた肉をゲットしていただきたい…!」と書きました。時短レシピも自信作ですが、正直に言うと、この料理の真髄は「豚皮の魔力を存分に味わうことである!」といっても過言ではありません。
豚皮があれば、どんなにこの料理が冷めても、豚肉のカリカリ感がエンドレスで楽しめます。麺類のスープに浸しても、食事の最初から最後までずっーと肉がカリカリしているなんて、信じられますか?そんな魔法のようなことがほんとにあるんです。
皮付き豚バラ、試してみたくなるでしょう?
日本では、肉のハナマサ、業務用スーパー、そして便利なのがインターネット。これらのお店で皮付き豚を購入できます。
おすすめは、もう思い切って1キロとか、それぐらいの量の皮付き豚バラを購入して、いつも使っている24インチくらいのフライパンめいっぱいにして、このカリカリ豚を作り置き食材としてまとめて作ってしまうことです。
本格カリカリ豚を作るのには、肉を干す行程が入るので、延べ時間はかかります。しかし手順はいたって簡単。実際に手を動かしている時間は、時短レシピと一緒で正味30分ぐらいなものです。
材料:皮付き豚肉、塩、水、油
調理器具以外の干し肉用アイテム:針金のハンガー、ロープと物干しざお(+キッチンペーパーを敷いたバット)
〈作り方〉
・豚を塩ゆでする
3%程の食塩水を沸騰させます。(1ℓに対し小さじ4から5)
沸騰したら肉を入れ、5分加熱。火を止めて20分ほど余熱で調理したら、ふたを開けて豚肉を取り出します。
・豚肉を干す
豚肉の水分と粗熱をとります。その間に肉を干す場所を作りましょう。物干しざおにハンガーをさかさまにしてロープで括り付け、U字になっている部分に肉を刺します。ゆでたての肉は油や汁が垂れてくるので、肉の下にキッチンペーパーを引いたバットを置くといいでしょう。
・豚肉を揚げる
一昼夜(約8時間)たったら豚肉を引き上げて、揚げていきます。肉がフライパンからはみ出そうなら、この時点で二つに切ってください。油(100ml)をフライパンに入れ豚皮の面を下にして肉を入れたら、弱火で温めます。豚皮がバチバチ跳ねて危ないので、かならず蓋を。10分ほどで音も静かになり、豚皮がカリカリになります。肉の側面にも熱が行き渡るように、トングで転がします。
約15分ほど弱火で揚げたら完成!
油をきって粗熱が冷めたら、包丁でざくざく切ります。
〈食べ方〉
好きな大きさにざくざく切って、そのまま塩コショウをしていただくのもよし。甘い味が合うので、黒糖と醤油を適宜まぜたものや、煮詰めたバルサミコ酢と醤油、スイートチリソースなどお好みのタレをかけて、ご飯やお酒と合わせてもよし。
そして是非、麺類に入れてほしいです。チャーシューの代わりに「カリカリ豚」麺!ラーメンやうどんなどの汁麺類に入れるだけ。いつまでもスープの中に浮かんで、皮のカリカリが消えることなく最後まで食感を楽しむことができます。
また、もしバジルが多めにあれば試していただきたいのが、「カリカリ豚バジル炒め」。
フライパンに切ったカリカリ豚を入れ、オイスターソースを絡めて加熱し、火をとめてからバジルを入れるだけ。お皿にご飯とよそって、アジア気分を存分に味わってください。もしホーリーバジル(タイによくあるハーブ)が手に入れば最高。目をつぶればそこはもう、バンコクと何ら変わりない口福が広がります。
南国の作り置きおかずの知恵
そもそも、南国タイは作り置きおかず上等の国。出来立てを食べる文化である日本より、「冷めてもおいしい、日持ちするおかず」の種類が豊富です。
このカリカリ豚はその代表的な料理です。屋台につるされて、アツアツの麺類やご飯と一緒にこのカリカリ豚が供されますが、再加熱なしで薄く切り分けます。そのままでとても美味しいのです。
1キロのカリカリ豚が完成したら、常温で暫くは保存大丈夫です。「美味し過ぎてすぐその場で食べてなくなっちゃう」って話もあるかもしれませんが…♡
少なくとも作って12時間ぐらいは冷蔵庫に入れなくても全く問題ありませんでした。気温30度の南国タイでそんな様子なのですから、日本は推して知るべしです。
是非皮付きの豚肉を入手して、試してみてください。
取材・文/マダム・ボンゴロッソ大森