単身赴任者の食事に目立った傾向はあるの?
単身赴任を始める時、「食事に気を付けて自炊をしよう」と考えるでしょう。特に今まで家庭で料理をしなかった男性は、久しぶりの1人暮らしにワクワクして、最初のうちは家事を頑張ってみます。
ところが1人分だけの食事を作ると、準備や後片付けに手間がかかることに加え、食材が無駄になることもあり、結果的に外食の方が楽で安いのでは?と思うようになります。
ご飯だけを自分で炊いて、惣菜を買う「中食(なかしょく)」に頼ることも増えます。
惣菜は「コンビニエンスストア5万7956店(2018年3月末。日本フランチャイズチェーン協会)、スーパーマーケット1万8200店(スーパーマーケット白書2019)、弁当テイクアウト店1万2846店(総務省経済センサス-基礎調2015)、デパート百貨店202店(日本百貨店協会)」、日本全国の約8万9000店で販売されています。
「中食」は単身赴任生活にとって非常に便利ですが、
「市販の惣菜は塩分が多い、フライや揚げ物など脂っこい物<コレステロール>が多い」こと、ご飯がすすむ濃い味付けの料理を選びやすい傾向があります。
単身赴任者は塩分を摂り過ぎかも?
塩分を摂り過ぎると、血液中の水分量が増加しその分だけ、心臓が血液を送り出さなくなり、血圧が上がりやすくなります。
塩分は生活習慣病予防のために、1日当たり「男性8.0g、女性7.0g<厚生労働省食物摂取基準2015>」と定められています。ところが、日本人は1日平均11g塩分を摂取し、塩分摂り過ぎですが、外食や中食が多い単身赴任者はもっと多いかもしれません。
ここで単身赴任者にありがちなメニューで見てみましょう。
昼:ラーメン(6g)、夜:カレーライス(3.5g)+味噌汁(1.5g)⇒11g
2食分だけですでに塩分の摂り過ぎですし、「味噌汁」の塩分量も侮れません。
さらに「炊き込みご飯・チャーハン・ピラフなど味付けご飯、明太子・高菜弁当」など
は塩分が多めですから注意して下さいね。
健康な単身赴任生活のポイント
① まず、自分が不健康になりやすい生活をしていると知ること!
② 塩分の摂り過ぎを自覚すること!
醤油、ドレッシングやソースは、かけるのではなく付ける方が量を少なく出来ます。
漬物や麺類の汁は出来るだけ残してください。
③ 野菜・果物を食べること!
単身赴任者は家族同居者に比べ、野菜や果物を摂る量が非常に少ない報告があります。
野菜や果物に含まれるカリウムは、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を促します。
トマトやバナナなど食べやすい物がおススメです。
④ 残業と晩酌に注意!
同居する家族がいないと、残業をしてしまいがちですよね。遅い時間の食事や
睡眠不足にもつながります。
晩酌をする方も多いかもしれませんが、同僚や家族・友人と会話をしながらお酒を呑む時に比べ、1人だと量を呑み過ぎてしまいがちです。仕事や職場で嫌なことがあっても、1人酒が解決してくれるわけではありません。
⑤ こまめにカラダを動かすこと!
いつもの歩行を軽い早歩きにすると良いでしょう。
「塩分の摂り過ぎには注意しなければ」と分かっていても、仕事をしながら毎食自炊することは難しいかもしれません。単身赴任は、一時的に家族から解放されるので、気楽な部分もありますが、自分で健康管理をすることはとても重要ですね。
取材・文/倉田大輔(池袋さくらクリニック院長)