国産ウイスキーで試してみると…
ネット上のインフルエンサーたちの感想は絶賛の嵐だが、本当のところはどうか。筆者は「AIRCPHOLIC」を一式取り寄せ、国産ウイスキーで試してみた。
ふだんはストレートで飲まないので、おそるおそるといった感じで吸ってみると、ウイスキーのあの芳醇な味が、気体として口の中に広がり、胃の腑へと落ちてゆくのが体感できた。「飲んで」はいないのに、確かにウイスキーが身体を巡り、心地よくほろ酔い加減になっていくのがわかる。ストレートで飲んだ時のキツい刺激はなく、これはとても不思議な感覚。もちろん、いい意味で。
製品開発のきっかけは偶然から
ところで、多くの発明品がそうであるように、「AIRCPHOLIC」も偶然の出来事から誕生している。開発者(本業は食品科学者)が、柑橘類の皮からエタノールを使って香気成分を回収するという実験の最中に、蒸留器の中から得も言われぬ香りのアルコールのミストが発散されているのに気づいたのが、そもそものきっかけ。好奇心から、ストローで吸ってみると「複雑な香りが口いっぱいに広がり、お酒の風味が次々に変化し、人の持つ味覚の鋭さを試すかのよう」な衝撃的な体験を味わう。この「気化酒」の素晴らしさを一般の人たちにも体験してもらおうと、商品化への長い道のりが始まり、開発は2年間に及んだという。
国内で第2弾のクラウドファンディング中
試行錯誤の末に開発された「AIRCPHOLIC」は、これまた多くの最近の発明品と同様に、クラウドファンディングで支援を募るという道をたどり、Indiegogoで大成功を収める。その評判が日本にも及んで、クラウドファンディング・プラットフォームのMotion Galleryでチャレンジしたところ、600人近い支援者を得るほどであった。そして、ただいま同プラットフォームにおいて、第2弾の支援者募集が行われている。お酒という日常的な飲み物で、自宅でレアな体験を満喫してみたい方は、検討してみてはいかが?
編集部注:クラウドファンディングには立案会社の問題でプロジェクトが頓挫する可能性や支援金が戻らなくなるリスクも稀にあります。出資に当たっては、お客様ご自身でご判断いただきますようお願い致します。
文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)