いつでも辞められる人が留まり続ける会社でありたい
ほかに考えられるデメリットとしては、「自社で働くことへのロイヤリティが下がる可能性がある」と懸念する。副業する際は自分の市場価値を高めるためなので、意気込みを持って始めるケースが多い。そのためには「自社のロイヤリティを高める制度が必要だ」と望月氏は言う。
現在のところ、「副業して魅力的なので他社に行きます」という人は人事として把握していないそうだが、仮にいたとしても「メルカリから外に出た人は市場で活躍してほしい。メルカリから来た人はやっぱり凄いとなれば良い」と望月氏は話す。
「いつでも辞められる人が留まる会社にしたい。安心して働ける環境を整えて、社員が思い切り働ける会社でありたい」(同氏)。
副業を解禁してない企業についてどう思うか尋ねたところ、「弊社はこういうカルチャーだから推奨しているが、副業を解禁していない会社がダメだとは決して思わない。自社のカルチャーに沿うことが大切」とした。
副業ポリシーを解禁して1年、どういう変化があったかというと、副業による効果だけではないが、内部にも優秀な人材が育ったし、外からジョインする人も優秀な人が増えたと成果を強調した。
「他のスタートアップ企業に我々の社員が経験したものをノウハウとしてたくさん還元して、日本のスタートアップ企業を盛り上げる一因になってほしい」と望月氏は締めくくった。
取材・文/稲垣有紀