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「被相続人」の意味は?覚えておきたい相続手続きの基礎知識

2019.04.25

親族に故人が出ると起きる相続。ここでは意外と知らない被相続人と相続人の違い、そしてかんたんな相続手続きの解説を行います。

被相続人とは何? 被相続人の意味は?

被相続人とは死亡後、財産を遺す人のことです。その財産を相続する権利を持つ人を法定相続人と呼びます。一方、相続人という言葉もありますが、こちらは実際に相続をした人のことを指し、法定相続人でも相続放棄したり、遺言により法定相続人以外で相続した人を表しています。

被相続人との続柄・関係により相続分が変わる

被相続人の法定相続人になれるのは、民法により配偶者、そして子供や直系尊属、兄弟姉妹などの血族と定められています。優先順位もあり、まず配偶者が最優先となり次に、

第1順位 死亡した人の子ども
第2順位 死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)
第3順位 死亡した人の兄弟姉妹

の順になります。第1順位がいなければ、第2。第2もいなければ第3に相続する権利が生まれます。

法定相続分も規定があり、以下のようになります。

配偶者のみ 1/1
配偶者+子ども 配偶者1/2、子ども1/2
配偶者+兄弟姉妹 配偶者3/4、兄弟姉妹1/4
配偶者+親 配偶者2/3、親1/3
子どものみ、親のみ、兄弟姉妹のみ いずれも1/1

*関係者の同意があるなら、この割合は変更可能です。

【参考】国税庁(相続人の範囲と法定相続分)

被相続人の孫は相続人になれる?

上記の説明にもあるように、孫に法定相続分はありません。例外として孫の親、つまり被相続人の子どもがすでに亡くなっている場合、代襲相続という権利が生まれます。法定相続分は子ども(孫の親)と同じです。

被相続人の死亡により相続は開始される

相続は被相続人の死亡により始まります。ここで重要なのは、相続財産がどのくらいあるかの調査し、死亡日より3か月以内に法定相続人の間で遺産分割協議を行ない、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書は必ず作成しなければならないものではありませんが、後々のトラブルなどを避ける意味でも必要な書類となるはずです。

被相続人の死亡後、相続人が死亡したらどうなる

遺産分割協議が終わらないうちに相続人が死亡した場合、死亡した相続人も被相続人となり、新たに相続が発生します。たとえば、親が亡くなり子ども2人(AとB)で相続をしようと協議をしていたら、Aが亡くなったというケース。Aに配偶者や子どもがいれば、新たな相続が発生します。

被相続人の預金は相続人が払い戻せる?

預金口座の名義人が亡くなると、銀行はその口座の取引(入出金)を原則として制限します。勝手に引き出すことができなくなるわけですが、銀行は自動的に口座名義人の死亡を知るわけではありません。実際の話、暗証番号さえ知っていればATMなどで預金を引き出すことは可能です。

しかし、預金複数いる時はトラブルになるため、避けることが賢明です。できるだけ早いうちに銀行に相談し、預金相続の手続きを始めましょう。

預貯金の仮払い制度

葬儀費用や病院の支払い、ローンの支払いなどで一刻も早く故人の預金を払い戻ししたい時は、金融機関に相談すれば法定相続人は「預貯金の仮払い制度」を利用することができます。額には限度があり、計算式は

口座ごとの額×1/3×払戻す相続人の法定相続分

ただし、金融機関ごとに上限額が150万円になっています。

【参考】法務省

全国銀行協会

預金相続の手続き

預金相続の手続きは概ね以下のような流れになります。

(1)預金口座のある銀行に手続きの申出を行う
(2)必要書類の準備
(3)書類の提出
(4)払い戻しなどの手続き

遺言や遺産分割協議書の有無により必要書類は変わります。詳しくは口座のある金融機関に問合せを。

【参考】三井住友銀行
三菱UFJ銀行
全国銀行協会
ゆうちょ銀行
*ゆうちょ銀行では相続Web案内サービスも実施しています。

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