妻は夫の意のままにならずアイデンティティの確立を
年齢と共に外観が衰えるのはお互い様ですから、気持ちの上で努力が当然必要です。その中で妻は結婚すると、ケンカして波風を立てるのが面倒だと、どうしても夫の意に従う傾向になりがちです。
セックスレスの原因の一つには、妻が夫に‘舐められる存在‘になっている事が大きいのです。恋人の時には相手から尊重されるべき存在だったからこそ、セックスも問題なかったはずです。そういう意味でも夫婦になった後の、自分のパーソナリティやアイデンティティの確立は非常に大きな意味があるのです。
夫は妻の考え方にしろ仕草にしろ、自分にないものを持っている妻を好きになる生き物です。妻が何かに一生懸命やっている姿は、夫に手に入れたいという気持ちを沸かせ、ひいてはSEXしたいという気持ちにさせるのです。
妻が夫の想定内の存在になってしまうと、いつでもできると思ってしまう。そういうマンネリがセックスレスには大きく関わっているのです。
例えば、美容などに力を入れることも大事ですが、頭の中に様々なコンテンツがあることが重要です。妻として見られてないと外観を気にする人が多いですが、仮にセックスレスで夫が不倫しても相手がかなりおブスだなんてことはザラにあるのです。
自分の言葉で政治でも経済、文化など世の中の事に夫と対等に話せるような意識です。働くことももちろんいいですが、専業主婦でも株や海外事情など、夫が疎いこと、知らないことを勉強すると、夫にとって教えてもらっている感が出て魅力的に映るのです。
そんな妻に徐々に夫は愛おしい、代え難い、大事にしたいという感情が湧いてくるのです。
そういう気持ちの高ぶりからセックスに移行するのです。
セックスが夫婦間に必須かどうかは別として、セックスレス夫婦は家庭の業務連絡しか話さないなど、言葉もレスな傾向があるのです。それはまさしくインプットが減って、会話のバリエーションが乏しくなっているからです。
もちろんセックスはないよりあった方がいいですが、実際は結構間が空いている夫婦は珍しくありません。そういう時には考え方を変えて、人間としての成長が止まっている可能性を探るのです。
外見よりも中身を変えると、妻はイキイキと自信を持って、見違えるようにキレイになるのです。恋人の時、彼氏にとってはドキドキ感で、アンタッチャブルだった自分を取り戻すようなイメージです。
【Profole】
1966年生、島根県出身。千葉大学経済学科卒。夫婦カウンセラー(‘夫婦カウンセラ―‘の呼称を商標登録出願中)。23年に渡るサラリーマンを経て夫婦のカウンセラーとして独立。様々な夫婦の問題に悩む方に男性目線でのアドバイスを日々送り続け、今までに3万人を超える夫婦問題のカウンセリング、夫婦カウンセラー養成、セミナー、相談者交流会など、様々な形でアドバイスや勇気、元気を渡す活動を行う。
「夫婦カウンセラー木村泰之ブログ」は毎日更新中。
取材・文/稲垣有紀