「育休復帰したら、子供がしょっちゅう熱を出すようになった」「看病で仕事を休んだため、有給がなくなった」「保育園からの呼び出し電話が怖い」子育て世代であれば、一度は聞いたことのある会話ではないだろうか。なぜ子供は保育園に通いだすと、よく熱を出すようになるのか。また、その対策について現役の小児科医、保田典子さんに話を聞いた。
子供同士で風邪のうつしあい
保育園に通い始める子の年齢は生後半年~2歳くらいのお子さんです。赤ちゃんはお腹の中で、ママから免疫物質をもらって生まれてきます。そのため、生まれたばかりの赤ちゃんは風邪をひきにくくなっています。(全くひかない訳ではありません。)その免疫物質は、生後3ヶ月で半分になり、生後半年~1年でほとんどなくなります。ママの免疫物質がなくなった子供は、自分で風邪を引いたりすることで徐々に自分の免疫を構築していくのです。保育園には、免疫力が弱く、自分の免疫を作る時期のお子さんがたくさん集まっています。そして、風邪のうつしあいをしているため、熱を出すようになります。半年も経つと、落ち着いてくる子がほとんどです。
高熱を出さないような体力をつけておくのも手
病気をもらわないようにするのは、厳密には難しいでしょう。元々その子が持っている体力と、生まれてからの生活でついた体力の差で、病気になりやすい、なりにくいかは変わります。そのため一概には言えませんが、病気をもらっても高熱を出さないような体力をつけておくのも一つの手です。
体力をつけるためには、元気なら、休日はしっかり外遊びをしましょう。また、夜しっかり睡眠をとり、疲労回復させましょう。疲労回復できているかを判断する目安の一つとして、金曜日のお子さんの様子を見てみましょう。月曜日よりも金曜日の方が明らかに元気が無く疲れているようであれば、その保育園生活と家の生活では、疲労回復ができていないということです。
病児保育、ベビーシッターなどの助けも借りて
育児休業から復帰する際は、生後半年から2歳頃までのお子さんは「風邪を引くもの」と考え、対策を練っておくことをオススメします。毎週熱を出す、毎月入院するなどで、職場に居づらく、結局退職してしまったというママたちもたくさんみてきました。1回熱を出したら、「最低」3日は休む必要がある、それを月に何回も繰り返す可能性があると考えておきましょう。パパ、ママの休暇、家族のヘルプなどの体制を整え、病児保育、ベビーシッターなどのサービスも受けられるように登録しておきましょう。くれぐれも、ママだけの負担にしないことをオススメします。