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虫歯に正露丸を詰めると効くってホント?奥が深すぎる虫歯治療の話

2019.04.21

「日本大学松戸歯学部歯学史資料室」に行ってみる!

「日本大学松戸歯学部歯学史資料室」は昭和46年の開学に合わせて開設されました。

私は同じ大学の医学部に通学していながら、一度も訪問する機会がありませんでした。

収蔵品は約4000点、収蔵書籍は1万2000冊、歯学だけでなく医学や薬学の様々な古文書や治療器具が展示されています。

<歯学史資料室の室内写真:著者撮影>

「毎週水曜10:00~16:00のみ開館、入館無料」で一般の方も入館出来ます。

詳しくは、日本大学松戸歯学部HPをご覧下さい。

 

日本の歯科技術はすごく高い!

「日本人は手先が器用ですから、歯科技術もかなり高かったのでは?」と想像していましたが、やはり凄かったです。

日本製で江戸時代に作られた「木床義歯」は、粘膜部分が木製で、着用したまま食事が出来るという画期的な物です。当時の西洋義歯はバネで上下を繋ぐ構造で見た目は歯でも食事が出来ませんでした。33歳から西洋義歯を使っていたアメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンは着用したままだと食事が出来ない上に、口を閉じていないと義歯が飛び出してしまうため、常に口元が緊張していたようです。

<「木床義歯」:著者撮影、歯学史資料室>

1823年(文政6年)、長崎県出島に来航したオランダ商館付医官シーボルトは、自著「ニッポン」の中で「木床義歯」を紹介しています。明治以降に「ゴム床義歯」が導入されたため、その後「木床義歯」は徐々に消えていきます。

きめが細かく加工がしやすい「黄楊(ツゲ)の木」を材料にし、仏像、能面、根付などの高い木彫技術を持つ日本だから作ることが出来たのが、この「木床義歯」です。

日本の義歯製造技術は鎌倉時代頃から続いているようです。

私が実際に「木床義歯」を手で持ったところ「ずい分軽く、装着しても重さを感じさ
せない」印象を受けました。

現代は、出来るだけ抜歯せず、歯を温存して虫歯を修復する治療が行われます。

虫歯による歯の欠損が少なければ「インレー(詰め物)」、欠損が大きければ「クラウン(冠:被せ物)」など歯を保存する方法が取られますが、進行して歯の根も傷んでいる場合は「抜歯+義歯(ブリッジやインプラント)」になることがあります。

歯の神経「歯髄」がやられる直前で歯科を受診した私は「クラウン」治療を受けほぼ毎週歯科に通いました。「早期発見、早期治療が重要」とは分かっていながら、痛みを和らげることばかりを行い、根本的な治療が遅れたのは不徳の致すところです。

<著者の歯型:著者撮影>

虫歯が進行するうちに「医者なのになぜここまで放置していたのか?」と歯科の先生達に思われてしまうのではという不安も、受診が遅れた一因です。私は文字通り「痛い思い」をしました。皆さん、虫歯は早めに治療することをお勧めします。

取材・撮影協力:日本大学松戸歯学部、日本大学校友会本部、ナチュラルスマイルデンタルクリニック(池袋)

取材・文/倉田大輔(池袋さくらクリニック 院長)

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