週1~月1の割合で上司か先輩が電話で連絡を
新入社員に限らず、社員が心の病気、とくにうつ病を発症してしまったら、症状にもよるが数カ月~1年間程度休職することになる場合がある。その際、休職期間に会社は何をするのか?事前に、休職から復職までの流れを作成しておくことをお勧めする。
休職中は、症状にもよるが、週1~月1回の割合で定期的に上司か先輩が新入社員に連絡するのが良い。メールでも電話でも良いが、電話連絡するケースが多いという。メールは本人が見ないこともあるので、何曜日の何時ごろ電話すると予め伝えておく。電話の場合、声のトーン、様子などが伝わりやすいからだ。また、帰省して休養している場合には、家族と話せるというメリットもある。
最初のうちは「元気?」「ちゃんと寝ている?」などと聞き、生活ができているかどうか確認し復帰が近づいてきたら「電車に乗れる?」など通勤に関わることを話題としていく。注意したいのは、NGワード「頑張って」だ。職場に復帰しようとすでに頑張っている社員にたいしてこのNGワードは重荷となり、ストレスを助長してしまいかねない。「こういうことができたね、と認めてあげることが重要です。心配しているというメッセージを伝えてください」(Avenir 担当者)。
生活リズムが整ってきたら本人に復職の意思を確認し、主治医が復職可能と判断した段階で、復職に向けて面談を実施する。本人の病状にもよるが、休職から3ヵ月~半年程度で実施となるケースが多い。まずは、産業医が本人と面談を行い、その後に人事が面談。最終的には、産業医、人事、上司と本人で面談し、復職を決定する。また、うつ病気で休職した社員は復職後も再度休職をする人も多く(一般的には初めての休職した方の6割が再度休職するといわれている)産業医や保健師が復職後もが継続して面談することで、その割合は減る傾向にあることも最近の研究からわかってきている。
最後に、新入社員に取るべき態度とかけるべき言葉、NGの態度と言葉に触れておこう。
■OK行為
【基本動作】
〇アイコンタクト
きちんと聞いているということを目で伝えます
〇あいづちやうなずき
要所要所であいづちやうなずきを入れます
〇聞く側がしゃべりすぎない
ほどよい沈黙をいれることで相手が話しやすい環境を作ります
〇合いの手をいれる
もっと聞きたいという姿勢を示します
■NG行為
×話の途中で自分の意見を押し付けること
×話を否定すること
×話を分析し始めることを分析する
×話の腰を折ること
×他の作業をしながら話を聞くこと
■OKワード
○「顔色が悪いぞ、体調でも悪いのか?」
○「ミスが目立つが君らしくないな。悩み事でもあるのか?」
○「最近疲れているようで心配だな。ちゃんと寝ているか?」
○「ちょっとやせたんじゃないか、体調はどうだ?」
○「よかったら話を聞かせてくれないか?」
■NGワード
×「ぼーっとしてるぞ、しっかりしろ」
×「最近ミスが多いぞ、気を引き締めろ」
×「また遅刻か。たるんでるぞ」
×「若い時は死ぬほど頑張ればいいんだ」
×「死んでも明日までに仕上げろ」
×「君には期待しているんだ」
×「暗い顔してるな、酒でも飲んで気晴らしだ」
参考)「職場のうつ」星和書店.2010
【取材協力】株式会社Avenir 産業保健事業部
産業医と企業をマッチングし、健康経営を手助けするサービスを行っている。
取材・文/稲垣有紀