職場に新入社員がやってくる季節になった!しかし、中には職場に馴染めず体調を崩してしまう新入社員もいる。中には、うつ病と診断される社員もいるのではないか。病気になったらすぐ解雇?!なんていう乱暴なことを考える方もいるかもしれないが、当然合理的な理由のない解雇はできない。新入社員が病気を発症してしまったら、休職させるなどして根気よく手助けすることも必要なのだ。そこで、新入社員にかけてはいけないNGワードは何か、職場はどうサポートすべきなのか、職場の安全衛生に関わる業務である産業医と企業のマッチングを行うAvenirのカスタマーサクセスチームにお話を伺った。
新入社員には現実と理想のギャップを埋める教育が必要
社会人が心の病気を発症する割合は、29.2%(公益財団法人日本生産本部2014年職場のメンタルヘルスに関する調査)。新入社員がそのうち何%を占めるかはデータがないが、特に、うつ病に関しては社会人の2.4%、50人に1人が発症していると言われている。
新入社員が心の病気になる原因は、人間関係や職場環境の変化、ストレス等、様々な要因で引き起こされる。中でも、思い描いていた仕事像と実際の業務とのギャップを埋められず、耐えられなくなってしまうケースは多い。
五月病の原因も、新入社員の心の病気と同様である。中でも、就職などの大きな目標を達成したことで、燃え尽き症候群(バーンアウト)のような状態に陥っている人や、環境が大きく変わったことで周りにうまくなじめないという人は、ストレスを溜め込みやすいので注意が必要である。また、几帳面でまじめ、責任感があるといった性格の人は、一人で抱え込みがちであり、周りの人に協力を求められるような環境づくりが重要である。
新入社員にうつ病などの心の病気を発症させないための対策として、厚労省が発表している「心の健康づくり計画」での新入社員向けの教育の計画例を基に新入社員向け教育を行う会社も多い。
その中でも重要なのは「セルフケア」と「ラインケア」だ。「セルフケア」は、自分自身で行うケアの事であり、ストレスやメンタルヘルスに対して正しく理解し、ストレスへの気づきや対処を行う。「ラインケア」は、上司が行うケアの事であり、職場環境の把握と改善に努め、個人の相談対応や職場復帰の支援などを行う事である。
「上司は、どんなことでも相談、質問に応じるということを態度で示すことが必要」(Avenir担当者)。「部下ができなったとき、なぜできなかったのか考えてみよう、と提案する上司が良い」(Avenir担当者)。ミスは注意しても良いが、人間性を否定する発言はNGだ。Avenir担当者によると、「新入社員はなぜ怒られたのか分からず、上司のしていることがパワハラなのではないか」と産業医や会社のコンプライアンス担当部署に訴える人が増えているという。