
キッコーマンが2018年に働く主婦335人に聞いた、日々の食卓事情についてのアンケート調査では、66.9%が抱える悩み1位は「献立が決まらない」ことだった。
妻から夫への「今晩、何食べたい?」の質問には、実は深い悩みが込められているのかもしれない。そんなときのNG返答と優秀返答を探ってみた。
妻から「今晩、何食べたい?」と聞かれたら何と答える?
毎日献立を考えるのに苦労している妻から「今晩、何食べたい?」と休み中に尋ねられたとき、夫はどのように答えると、夫婦円満でいられるのだろうか? 夫婦の対話をサポートする夫婦会議ツールを開発しているLogista株式会社 共同代表CEOの長廣百合子さんは、次のように答える。
●「“一緒に献立を考える姿勢”を示す」ことが大切
「食べたいものを正直に答えたら『そんな手の込んだもの作りたくない』と言われたり、気を遣って『何でもいいよ、手軽に作れるもので』と言えば『少しは考えてよ!』と怒られたり。どう答えれば妻は納得するのか、言葉通り、好みや希望を聞いているのか、それとも『休みの日くらい外食にしよう!と提案してほしい』のか…正直、この質問だけでは妻の真意を掴めず、答えに窮する夫も多いでしょう。
そんなときには『何にしようか?』『僕は◯◯な気分だけど、君は?』という具合に、“一緒に献立を考える姿勢”を示すのがベターです」
●コツは「対話型コミュニケーション」
「今すぐ浮かばない、別なことをしている最中に話しかけられた…などの場合には『少し考えたいから、10分後に話し合うのでも良い?』と返すのも良いでしょう。
少なくとも『なんでもいいよ』『まかせるよ』の一言で終わらせずに、“一緒に考えて結論を出す”対話型のコミュニケーションを心がけると、夫婦円満でいられると思います」
●思いやりある返しを
「『晩飯づくりは君の仕事でしょ?』『献立くらいで悩むなよ』など、間違えても相手が『突き放された』と感じたり、『夫は家族で囲む食卓を大切に思っていない』『私の悩みに向き合ってくれない』などのネガティブな気持ちを増幅させたりすることが無いよう、思いやりある返しを心がけたいですね」
妻側も質問の仕方に工夫が必要
とはいえ、夫婦円満は夫側の努力だけで成り立つものでもないと長廣さんは話す。
「妻側も『今晩、何食べたい?』に対する夫の答えにイラっとモヤっとしたり、的外れに感じたりすることがあるとしたら、質問自体に問題があった可能性も。つまり夫の食の好み以外にも、考えていることがあったということ。例えば、冷蔵庫の中の◯◯を使いきりたい、最近太り気味だからヘルシーな食事にしたい、翌日の予定を考えて準備や片付けの負担が少ないメニューを考えたいなど、他に考慮したい要素を相手に示すことなく、漠然と質問をしてしまっていた可能性があります」
●代わりの質問
「冷蔵庫の中の◯◯を使い切りたいんだけど、どんな料理が良いと思う?」
「今夜はヘルシーに蒸し料理にしようと思うんだけど、希望の食材はある?」
「明日は朝早くに出かけるから、今夜は手軽な食事にしたいんだけど、何が良い?」
「このように、妻側も自分が悩んでいるポイントを踏まえながら、『具体的に質問することができていたか』を見つめ直すことで、お互いに妙なストレスを抱えることなく、円満なコミュニケーションを取りやすくなっていくと思います。答え方だけでなく、問い方も大切です」