自宅で使うセルフケア用の薬剤もある
次のプラズマレーザー治療に移る前に、日常のセルフケア用品について「デモ」があった。
これは、天野歯科医院で販売されている薬剤を実際に試してもらうというもので、これ自体には費用はかからない。最初は「ペリオトリート」というプラスチックボトル入りの洗口液(成分は次亜塩素酸電解水)。20秒程度のぶくぶくうがいで、虫歯菌と歯周病菌を殺菌し、歯垢を分解する効果がある。次は「マグネシウム歯磨きペースト」。清掃剤として塩化マグネシウムが入っているのが特徴で、ごく少量を歯ブラシにつけて普通に磨く。これは歯垢を除去し、歯石の定着を防ぎ、虫歯と歯周病を予防するのに役立つ。そして、「オーラループ」と「MIペーストプラス」。それぞれ、三リン酸(ポリリン酸)とCPP-ACP(リカルデント)を有効成分とするペーストで、歯ブラシか指を使って歯全体に塗る。どちらも歯質を強化し、歯のトラブルを防ぐという。
各薬剤を試してみたが、ふだん使用しているマウスウォッシュや歯磨き剤のように清涼感はないため、口中に若干の違和感はある。とはいえ、「まずい」わけではなく、毎日の使用でも特に抵抗感はない。
これらを購入使用するかどうかは任意。ドラッグストアで見かけるデンタルケア用品より割高であるものの、日々の「ランニングコスト」で見ればさほどかからないので、検討する価値はある。
C2の虫歯をレーザーの力で治す
セルフケア用薬剤の使用デモが終わったところで、治療再開。プラズマレーザーでC2の虫歯を処置する。これには「ストリーク」というレーザー発生装置を使う。リーフレットを読むと、「高出力レーザーと特殊な酸化チタン溶液により高温のプラズマ光球体を作り出し、その熱エネルギーによって虫歯や歯周病の治療、そして歯質強化を行える最新の治療機器」などとある。
「これは痛いのでは?」という不安がよぎったが、「人によってピリピリする」くらいだと、説明を受ける。仮に痛みがあった場合は、レーザーの出力を調整して対処できるという。その言葉どおり、10分ほどの処置の間、痛みはなかった。これにて、治療の全工程は終わった。
問診票の記入からプラズマレーザーの治療まで、トータルで1時間半。取材を兼ねていなければ、小1時間で完了していたはず。当初は数回の通院を想定していたので、この速さは少し驚きだった。また、ヒールオゾンは1年に1回のスパンでの再治療をすすめられたが、国の健康保険が適用されない自費診療という点を考慮しても、許容できる出費だろう。
虫歯や歯周病を患っていて、できるだけ歯を削らずに治療したい方は、こちらの医院での治療を検討してみてはいかがだろうか。
天野聖志院長 プロフィール
1962年神奈川県生まれ。1987年東京歯科大学卒業。1993年米国ウィスコンシン州マーケット大学歯学部大学院補綴科にて歯科修士課程卒業。帰国後、天野歯科医院の院長に就任。ドックベストセメント認定医、カリソルブ・ペリソルブ認定医、ウェルデンツ認定医などの資格を持つ。テレビを含むメディアの出演・掲載多数。自身が開発した歯磨きアプリ「歯磨き貯金」は利用者5万人を超える。公式サイト:https://amanodental.com/
文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)