ロック・解除はスマホでリモート操作
「bisecu」は、専用アプリをインストールしたスマホから、Bluetoothで遠隔ロック・解除できるという仕様になっており、本体にさわる必要はない。つまり、「bisecu」はIOTスマートロックの自転車版。あなたのスマホが鍵になり、自転車の従来のロックでは当たり前だった、地味にイラっとする不便さはもはやどこにもない。本体にUSBケーブルでフル充電しておけば、次の充電時期が来る半年後まで、スマホでロックシステムをオン・オフするだけでいい。
ロックすると、「bisecu」本体内部のロッキングシステムが作動して、前輪が全く回転できなくなる。本体外部はアルミ合金で保護されており、システムを外からどうこうするのは無理。かついで持ち去ろうとすれば、100デシベルのアラーム音が鳴り響くようになっている。また、30m以内に持ち主がいれば、「移動を感知」したことをスマホが教えてくれる。
もちろん全天候対応の防水・防塵仕様で、雨・雪・暑さ・強風で故障することはない。
なお、スマホの専用アプリには、これまでの走行距離や消費カロリーなどが計測できる機能も備わっている。
通勤や旅行で、長時間にわたり公共駐輪場に置くことが多い人向けに、念のためのケーブル式ロックが用意されている(別売り)。これは「bisecu」本体に専用のキャップを取り付け、そこにケーブルの一端を通し、他端を別の箇所に固定するなどして、盗難がより困難になるようにしたもの。これもスマホでロック・解除できるようになっている。
デザイン・走行性も損なわない優れモノ
「bisecu」の真に優れた点は、強固な防犯機能を持ちながら、外観や走行性を犠牲にしていないことだ。円柱形の本体のデザインは前輪にしっくりなじみ、余計な空気抵抗も生まず、軽いのでハンドル操作に違和感が生じることもない。走行中に不意にロックがかかってしまうという重大なトラブルが起きないよう、精緻なセンサーメカニズムも備わっているので安心。
ただし、MTBと一部の特殊なタイプの自転車には適合しないので、そこだけは注意。
「bisecu」のメーカーは、韓国ソウル市のベンチャー、BISECU Inc.。「世界初の自転車向け完全自動スマートロック」というミッションにより本製品を開発し、世界的に注目された。今は、クラウドファンディングサイトのCAMPFIREにて割引価格で予約受付中(~5月20日)。20%オフでも18,280円(税込)という価格帯だが、安くはない愛車のより堅牢な防犯対策としてみれば、妥当な価格と言えそうだ。関心を持たれたら、サイトをチェックしておこう。
取材協力/CANTERA, LLC
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文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)