イタルデザイン
ジョルジェット・ジウジアーロが設立し、現在はフォルクスワーゲン傘下に収まるイタリアのカロッツェリアであるイタルデザイン。彼らがジュネーブモーターショーに持ち込んだの“ダヴィンチ”。もちろん名前は2019年に没後500年を迎えるイタリアを代表する芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチに由来する。
シャープなキャラクターラインで構成された4ドアクーペで、ボディサイズは全長4981×全幅2124×全高1392mm、ホイールベース2900mmというから、ポルシェ「パナメーラ」とほぼ同サイズだ。フロントまわりのデザインを見る限り、ランボルギーニの4ドアのデザインスタディかと勘繰りたくなるが、その真偽は不明。ガルウイング式のドアなどショーカー然とした処理は多数見られるものの完成度はかなり高い。中身については煮詰まっていないのか、このモデルは電気自動車だというが、4.0?V型8気筒を搭載した内燃機関モデルに仕立てることも可能だと言う。
イスパノスイザ
今年のジュネーブモーターショーには懐かしい名前も帰ってきた。イスパノスイザ。1904年に設立されたスペインの企業で、自動車のほか、航空機エンジンや機関砲などを製造し、第二次世界大戦前には高級車を手掛け、一世を風靡した。2000年代の初めに作ったコンセプトカー以来、久々のニューモデルである。
スタイリングはイスパノスイザが1938年に製作した高級車「デュボネクエニア」がモチーフになっている。とくに後輪をカバーしたフェンダーやなだらなに傾斜するリヤセッションにデュボネクエニアのイメージを色濃く残している。往年のブランド名を名乗るものの、中身はスペイン・バルセロナに本拠地を置き、フォーミュラeなどにも携わっているQEVテクトロジーズによるもの。
ボディはカーボン製で車両重量は1690kg。360psのモーターを2つ搭載する電気自動車で、最高出力は1019psに及ぶ。0-100km/h加速は3秒以下。2019年から2021年に掛けて19台が製作される予定。価格は税別で150万ユーロ、邦貨に換算すると約1億8750万円となる。
取材・文/編集部 撮影/望月浩彦