本体は軽くて持ち運びやすいが画面がないという弱点もあり
本体はコンパクトで、軽いため持ち運びには困らない。Wi-Fiルーターは基本的に操作する頻度も少ないため、電源を入れたらあとはカバンの中に入れっぱなしでいい。スマホ1台ぶん程度のスペースがあれば十分で、かさばらないのはうれしい。厚さは14.2mmとスマホよりはややサイズが大きいものの、ポケットにも入らないことはない。
充電端子はmicro USB Type-B。昨今のスマホ事情を考えると、USB Type-Cを採用してほしかったのが正直な印象だが、コストとの兼ね合いといったところだろう。バッテリーは公称で連続12時間駆動だが、旅先で外出中に使うぶんには、十分といった感触。本体のカバーを外すとSIMカードスロットがあり、ここに現地キャリアのSIMカードを入れて、切り替えながら使うことも可能だ。容量が心もとないというときは、2枚のSIMカードを併用してもいいだろう。
充電端子はType-Bのmicro USB。USB Type-Cを採用してもよかったのではないか
クラウドSIMの利用が前提だが、SIMカードを挿して使うことも可能だ
Wi-Fiルーターといっても昨今はディスプレイを備え、スマホのようにタッチ操作できる端末も増えているが、U2sは非常にシンプルで、表示デバイスはLEDのランプのみ。Wi-Fi、電波強度、バッテリーのアイコン3つと、バッテリー残量や電波強度を示す4つの点だけで、それ以外の情報は表示されない。バッテリー残量や電波強度が「点」で表現されるのが少々分かりづらいのは難点。理解するには慣れが必要かもしれない。
LEDランプのアイコンと点で、電波強度や電池残量を表示する仕組み
ディスプレイがないため、設定などは、接続したスマホやPCのブラウザで、U2sの内部にログインして行う。ここでは、SIMカードスロットに取り付けたSIMカードのAPNを設定したり、接続している機器を確認したりといったことができる。また、使ったデータ容量の総量も確認可能。先に挙げた、更新時間をすぎると、容量は自動でリセットされる仕組みだ。欲をいえば、この画面にバッテリー残量などを表示してもよかった気がする。
海外の通信が手軽にでき、しかもコストが安いU2sだが、月額使用料の400円をどう捉えるかが悩みどころかもしれない。海外渡航が年数回あるようなユーザーにはいいが、海外旅行の頻度が数年に一度だと、レンタルした方が安上がりになる。日本でも通信でき、普段はサブの回線として使えるため、この点をどう考えるかが、購入するかどうかの分かれ目になりそうだ。
【石野’s ジャッジメント】
質感 ★★★★
UI ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★
バッテリーもち ★★★★
持ちやすさ ★★★★★
*採点は各項目5点満点で判定
取材・文/石野純也
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。