職場復帰したばかりの女性社員が嬉しい声かけ
実際、彼女たちは周囲からどのような声がけがあると嬉しく、やりがいを感じるのだろうか。
●存在を認める・感謝の言葉
「復帰したばかりの女性が職場に求めていることの一番は“自分の居場所”と“役に立っている実感”です。『やっぱり●●さんがいてくれると助かるよ』、『いつも〇〇をしてくれてありがとう』と、存在をしっかり認めてあげること、そしてその存在や行為に対する素直な感謝の気持ちを伝えることが、復帰した女性にとって何より嬉しい対応だと思います」
●子の体調不良による欠勤時にも相手の立場に立ったひとことを
「子どもが小さいうちにつきものの、子どもの体調不良の際は、とても大きな罪悪感を持って職場に欠勤の連絡を入れることになります。そんなときは『大変なときに連絡してくれてありがとう』というひとことを添えるだけで、女性社員は『自分の気持ちを理解してもらえている』と安心でき、『子どもが元気になったら、ちゃんとお返ししないと』と、より前向きに仕事に取り組むようになるでしょう」
成果や評価は急がず中長期的に見据えて
上司として、産後の女性社員を迎えた後の評価の仕方についてもアドバイスしてもらった。
「先にも述べた通り、復帰した女性は、自分の居場所や貢献実感を求めています。だからといって急ぎすぎは禁物です。上司としては、できるだけ早く成果を出して欲しいと、ついつい高めの目標を設定したくなりますが、家族の状況も本人の状態も日々変化する中、計画が計画通り進むことは稀です。そのような状況の中では、高い目標がかえって本人や周囲の首を絞め、息切れしてしまうことも。
状況は日々変化する、復帰のペースも人それぞれ、という意識のもと、成果や評価を急がずに、『半年間くらいかけてゆっくり自分らしい貢献の仕方を見つけていこうね』、というスタンスでいるくらいのほうが、中長期的なパフォーマンスややりがいにつながると考えます」
職場復帰したばかりの女性社員に対してどんな風に接すればいいのか、戸惑うこともあるだろう。そんなときにも、「不安」を察して、存在を認める、感謝の気持ちと言葉を意識し、成果は気長に待つというのがポイントになるようだ。
【取材協力】
藤島 淑子さん
株式会社インディプロス 代表取締役。
人事コンサルタントとして企業の人事制度構築や女性の活躍推進をサポート。2017年に「自然体で自分らしく」をコンセプトに働く女性向けアイテムブランドDesign Yourselfを立ち上げ、物販事業も展開。
http://design-yourself.pw
取材・文/石原亜香利