4月は、産後の職場復帰を迎える女性が多くなる時期。彼女たちのリアルな心情は? また周囲は、早く以前のように成果を出して欲しいと期待が高まる中、どう接するべきか迷いどころだ。そんな微妙な職場復帰後すぐの女性社員への接し方について、人事コンサルタントであり、働く女性の支援も行う株式会社インディプロスの代表 藤島淑子さんに意見を聞いた。
職場復帰したばかりの女性の心境
この4月に育児休業を終え、職場復帰したばかりの女性社員。彼女らはどのような心境なのか。
株式会社インディプロスが、2014年〜2017年に産休・育休から職場に復帰した女性152名にアンケートを取った結果、「復帰前に1番強かった気持ち」のトップは「不安」で45%、次いで「楽しみ」で24%となった。
藤島さんはこの結果を受け、次のように話す。
「『嬉しい』『楽しみ』といった期待感を持って職場復帰する女性もいる一方で、やはり最も多くの方が感じているのは『不安』です。特に『時間のやりくりがうまくできるか』『子どもに寂しい思いをさせないか』といった、生活パターンがガラリと変わることに対し、自身や家族がうまく順応できるのかという類の不安が強いようです。
また、よく見落としがちなのが産休・育休中の職場の変化へのキャッチアップ。制度変更などが頻繁にある会社では、休職前と後で社内の状況が大きく変わっていることもあり、“浦島太郎状態”になり、取り残されたかの気持ちになってしまうこともあります」
職場復帰後の女性社員への接し方
では、職場復帰したばかりの女性社員には、基本的にどのように接すればいいだろう。藤島さんは次のようにアドバイスする。
「まずは歓迎の気持ちをしっかりと示すこと。周囲の人にとってはいつもと同じ日常でも、復帰したばかりの女性にとっては『自分はちゃんと貢献できるのか?』『周囲に受け入れられているか?』という不安と隣り合わせの日々。そんなときに周囲が忙しそうに動き回り、話しかけるのもはばかられるような雰囲気では、『やっぱり歓迎されていないのかなぁ』と、本人の孤立感は高まるばかりです。
『帰ってきてくれてありがとう』『何かあったらいつでも声をかけてね』という歓迎の気持ちをしっかり表現してあげてください。復帰初日に出社してみたら、机の上に小さなプレゼントが…なんていう、サプライズもあってもいいかもしれません」